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コラム 学識者・企業人はこう考える!

メタン発酵普及事業

生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料として、メタン生成菌で微生物処理すると、メタンを主成分としたバイオガスが発生します。バイオガスは発電機やボイラーの燃料として利用できます。さらに、消化液とよばれる発酵残渣は、うまく工夫すれば肥料として活用できます。メタン発酵で利用するバイオマスについては、家畜排泄物や下水汚泥は国内で導入がすすんできていますが、食品廃棄物は導入が限定的です。特に静岡県では全国と比較しても導入が進んでいません。


静岡県では新エネルギーの積極的導入を進めていますが、バイオマスエネルギーの導入は進捗が遅れています。背景の二つ目として、食品リサイクル法に基づき食品廃棄物はリサイクルが義務付けられています。静岡県は、中小規模の食品・飲料製造メーカー数は国内で二番目に多い県ですので、食品リサイクルは重要な課題です。しかし、このリサイクル処理費用が中小企業の経営を圧迫している状況にあります。
静岡県では平成26年度から3年間かけてメタン発酵をコア技術として、エネルギーとリサイクルの課題を解決する研究を実施しました。具体的には、食品工場の製造工程から発生する食品廃棄物を、自社のメタン発酵プラントでエネルギーに変換し、消化液も農産物や水産物の栽培に有効利用する取り組みです。つまり、「エネルギーの自産自消」「資源の地産地消」を目指す取り組みです。
しかし、メタン発酵処理が普及していない原因として以下の課題があります。一つ目は、現在普及しているメタン発酵プラントは大型施設で建設費が巨額になることです。中小企業が導入できるように、プラントを小型化・簡素化してコストを低減する技術が必要です。二つ目は、メタン発酵の効果が不明瞭な点です。どんな廃棄物からでもバイオガスが発生するか?メタン発酵した後の廃液はどうすれば良いか?これらの技術課題を解決してメタン発酵の普及を目指しています。





こちらは、平成26年度から静岡県が研究開発して考案した新しいメタン発酵処理の概念を図式したものです。従来技術では、メタン発酵処理が難しい油や固形分が含まれる廃棄物は、油と固形分を取り除き、その後、20日間程度の日数をかけてメタン発酵していました。
新しい技術では、油や固形分を取り除くことなく、前処理技術でメタン発酵しやすい原料に変換し、10日間程度の短期間でメタン発酵処理します。結果的にメタン発酵槽は半分の容積で済み、処理日数も21日から14日と3分の2に短縮して、小型化・簡易化を実現できます。


平成29年度からは開発したメタン発酵パイロットプラントを活用して新たな事業展開を行っています。パイロットプラントを食品工場に設置し、実際の廃棄物を原料として実証化試験に取り組んでいます。実証化試験により更なる技術課題の洗い出しと改良を加え技術確立に努めています。また、実証化試験の実施と並行して、開発したプラントを普及していくビジネスモデルの構築を協議会と検討しています。
一方、消化液の有効利用につきましては、現在、農林技術研究所で、缶詰シロップ以外の廃棄物をメタン発酵処理した消化液を対象に、実証化試験を継続しております。水産養殖につきましては、スジアオノリの養殖の実用化に向けて、缶詰シロップ由来の消化液の肥料登録手続きをすすめているところです。





最後に新事業の達成目標をまとめました。

日量1トン規模で5,000万円程度で導入できるプラントを開発し、中小規模食品製造企業を中心に導入を目指します。平成29年度から3年間は事業化ステージとして、基礎研究と実証化試験と事業性評価を行い、様々な食料品製造工場のメタン発酵モデルケースを提案します。
さらに、並行して、研究協力企業を中心とした企業組合を組織し、メタン発酵システムを普及するためのビジネスモデルの確立を目指します。平成31年度からは普及ステージとして、企業組合をバックアップしながら、小型メタン発酵プラントの導入を積み重ね、2020年度までに3箇所導入を目指し、静岡版小型メタン発酵プラントの普及に努めていきます。


メタン発酵処理の導入に興味のある企業の方はお気軽に静岡県静岡工業技術研究所へお問い合わせください。


平成30年9月

静岡県小型メタン発酵プラント事業化推進協議会

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