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コラム 学識者・企業人はこう考える!

資源リサイクルフォーラム

平成29年10月20日(金)、静岡市にある静岡市民文化会館にて、平成29年度資源・リサイクルフォーラムが開催されました。今年度のテーマは「衣・食・住でごみ削減」。3名の講師による講演について報告します。

「家庭ごみに含まれる食品ロスと削減対策について」
京都大学大学院地球環境学堂 准教授 浅利美鈴 氏

日本における生ごみの発生量は、家庭系300万t、事業系300万t、合計600万tであり、これは国連による世界の食糧援助量300万tの半分に当たります。
少し古いデータですが、残飯による食生活の損失額は11兆円であり、農水産物の総生産額12.4兆円に匹敵する数字となっています。

 

京都市では、毎年、市民の排出するごみの展開調査を1ヵ月かけて実施しています。
各集積所から集めたごみ袋を展開し、手作業で300種類に分ける大変な作業です。

 

重量別排出量では、食品、使い捨て品(おむつ、マスク、カイロ、カップ・トレー)、容器包装の順で多い結果です。このうち「おむつ」は出生率低下の影響か、年々減少傾向でしたが、最近は逆に増加傾向にあり、理由は高齢者やペット用のおむつが増えた影響によるものです。

 

重量別で最も多い割合を占める食品系のごみについては、5年毎に、詳細に分別する調査を実施しています。
調理くずが44%(年々減少傾向)、食べ残しが42%(年々増加傾向)うち手つかずの食品が28%を占めています。1980年と比較すると、加工食品が年を追うごとに増加してきています。

 

京都市民を対象としたアンケートによると、70%の市民が、生鮮食品の購入時に賞味期限を確認している一方、調味料やレトルト食品、冷凍食品については、40%の市民しか賞味期限を確認していませんでした。
手つかずで期限切れしている食品は20〜30%もあり、そのうち生鮮食品は35%の人が捨てているという結果でした。
食品庫(食品をしまってある場所)の数は6箇所程度の人が多く、食品をしまう場所が多すぎるため、在庫チェックがし切れていないことで、食品ロスが発生する原因の1つとなっていました。

 

食品ロスの原因:ライフスタイル、流通、価値観

 

食品ロスを減らすために有効な方法:空腹時に買い物をしない、食品庫の数を減らす

 

戦後、東京オリンピックの頃から大量生産、大量消費社会に移行し、ごみ発生量が増大しました(ごみ発生量は2000年頃がピーク)。京都市でも上記に当てはまる形でごみ発生量は推移しており、ごみ発生量削減のため、ピーク時比較マイナス50%を目標に掲げました。

 

現在、削減率は49%まで達成し、目標まであと一歩のところまで来ております。このうちマイナス40%はごみ処理の有料化によるもので、残りの9%は、条例を改正(ごみの削減に関し、市民には努力義務、事業者には実施義務をかけた)し、2Rを進めた成果です。

 

京都市では、ごみ減量に取り組む際の考え方を示す3R(リデュース(Reduce,発生抑制),リユース(Reuse,再使用),リサイクル(Recycle,再利用))のうち,リサイクルよりも取り組むべき優先順位が高い最初の2つのRであるリデュースとリユースを推進することで、ごみの減量に繋げました。

 

ごみの削減は、まずごみになる元を絶つことから!

 

「「ECOFF」リサイクルキャンペーンについて」
松坂屋静岡店

松坂屋静岡店では、エコフ(ECOFF)と名付けたリサイクルキャンペーンを本年4回開催、本キャンペーンは大丸・松坂屋の各店舗で実施しているものです。
お客様からの衣料品を店頭回収し、ショッピングサポートチケットと交換することで、お客様への負担や地球への負荷をOFFする「持続可能な参加型プロジェクト」です。
回収品目は衣料品のほか、靴、バッグ、寝具・寝装品(ふとん、敷ふとん、毛布、枕など)で、衣料・繊維製品はポリエステル系素材、コットン系素材、その他に分別し、それぞれPETペレット(衣料品原料)、ジェット燃料・熱回収(エネルギー再資源化)、コークス及び自動車内装材として有効活用しています。
靴やバッグはリユース可能なものは主に海外で再利用、リユース不可のものはコークス、コークス炉ガス、炭化水素油でエネルギー再資源化を図っております。
この他、静岡県内で活動するフードバンクふじのくにと協働し、フードドライブも実施。フードドライブは廃棄されてしまう食品を必要な人へ届ける活動で、現在、全国で活動が行われている。

 

大丸・松坂屋ecoffサイト http://dmdepart.jp/ecoff/

 

「小型家電リサイクルと2020年に向けた取組」
リネットジャパン株式会社 取締役 中村俊夫 氏

当社は、小型家電のリユース事業を、インターネットを活用し実施している企業です。
トヨタ自動車、ブックオフのサポートにより2000年に創業、2010年にはマザーズに上場をいたしました。元々は中古本のネット通販事業を実施する中で、中古本の仕入れに宅配便を使ったサービスを他に展開できないか、という観点から、小型家電のリユース事業を開始しました。

 

小型家電は携帯電話やパソコンをはじめ400品目あり、年間12億点が廃出されているといわれています。家庭で不要となった小型家電は、これまでは自治体により回収され、埋立て処分されていましたが、埋立地の残余年数やリサイクル推進の観点から、現在では自治体による拠点回収(市施設にボックスを設置して回収)等で回収されております。が、まだまだ全量が回収されていない状況です。

 

牛乳パックやペットボトルキャップについては、回収義務はないところがほとんどですが、当たり前のように回収されリサイクルされており、同じように小型家電も当たり前に回収され有効活用されるべきではないでしょうか。

 

現在、県内には207箇所に回収拠点がありますが、これは37km2に1箇所の計算となり、回収拠点数が少ない傾向にあります。当社では、1箱1,500円で入るだけの小型家電を入れ、宅配業者が玄関まで取りに来てくれるサービスを展開しています。連携自治体であれば、箱の中にパソコンが入れば無料です。現状、当社回収の97%の皆様が、パソコンの処分に当社のサービスを利用されています。回収した小型家電のリサイクル率は99%です。

 

携帯電話やパソコンは、データが完全に消去されるかという不安をお持ちの方もいらっしゃるかと存じますが、当社ではISO27001(情報セキュリティマネジメント規格)を取得しており、情報管理について認証を得ております。

 

2020年オリンピック/パラリンピックのメダルに使用する金属を携帯電話や小型家電に使用されたリサイクル金属を活用することで調達する「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」が、国民参加型の取組みとして、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会により実施されています。
メダル5千個、8tの金属が必要とされ、パソコンだと170万台、携帯電話では2,000万台分といわれております。日本は金7千t、銀6千tが都市鉱山として存在し、産出国に匹敵する資源量を誇ります。

 

この取り組みを成功に導くため、当社も取り組んでおりますので、是非ご協力をお願いいたします。

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