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コラム 学識者・企業人はこう考える!

- 食品廃棄物(コーヒー抽出残さ)の利活用技術とビジネスとしての可能性 -静岡県工業技術研究所 工芸科 研究員 菊池圭祐 氏

 静岡県の清涼飲料製造業における出荷額は全国1位(H24 工業統計)で、多くの企業が本県に集積しています。そのため大量の加工残さが排出されています。特にコーヒー抽出残さ(SCG:Spent Coffee Grounds)は発生量が多く、県内企業10社の聞き取り調査だけでも年間4.3万tも排出されていることが分かりました。

 

 SCGの現状の処理方法は焼却や埋立が多く、環境に大きな影響を与えています。県工業技術研究所では、SCGの有効活用の1つとして活性炭開発を進めてきました。活性炭の最重要な指標である高比表面積を達成し、電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric Double Layer Capacitor)としての応用が可能となりました。

 

 図1にEDLCの蓄電原理を示します。電圧をかける(充電する)と活性炭表面に電解液中のイオンが配向し、電気が貯まります。放電時には再びイオンがばらばらに拡散します。化学反応を利用しないので低抵抗・安全・長寿命という特長があり、急速な充放電を半永久的に行うことができます。

図2は実際にSCG活性炭から試作したEDLCの断面図です。SCG活性炭以外に集電極セパレータ、電解液などを使用します。

 

 図3は図2のEDLCを組み込んだブレーキエネルギー回生システムです。30秒間の回生と2分間の放電(回生電力120W・放電電力30W)を繰り返すことが可能です。エネルギー回生効率はほぼ100%近い値を達成しております。この回生システムを自動車やエレベータの減速・加速などに用いることでエネルギーを無駄なく有効に使うことができます。

 

 現在、世界の活性炭市場は年平均11〜13%の成長率で拡大しています。一方、活性炭の原料であるヤシ殻の栽培規制、化石資源の枯渇などの問題から供給不足に陥っています。日本は活性炭やその原料を輸入に頼っているため、活性炭価格が毎年上がっている状況です。国内や地域に賦存するバイオマス資源から活性炭を開発することは、日本産業にとって重要な課題であり、これら背景を考慮すればビジネス的にも国外の活性炭に勝る競争力を有すると考えております。

 

 未利用のバイオマスの活性炭開発、活性炭を利用した蓄電・水浄化・空気質改善などにご興味をお持ちの方は、ぜひ工業技術研究所までお問い合わせください。

 

工業技術研究所HP:http://www.iri.pref.shizuoka.jp/

TEL:054-278-3024 FAX:054-278-3066

 

図1 EDLCの蓄電原理

図2 試作したEDLCの断面図

図3 ブレーキエネルギー回生システム

 

平成27年2月

 

静岡県工業技術研究所工芸科

研究員 菊池圭祐

 

 

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