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コラム 学識者・企業人はこう考える!

- レアメタルのリサイクルビジネス【前編】 - 株式会社ヒラテ技研 エコエネルギー研究所 杉山 智 氏

昨今、地方の一般紙、ローカルニュースなどで「レアメタル」という言葉を目にする機会が増えてきました。

 

レアメタルという呼称について明確な定義はありませんが、経済産業省によれば「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難である鉱種等を指すものと考えられる」とされています。

 

具体的には、リチウム、インジウム、コバルト、白金など31鉱種(希土類元素は1鉱種と見なす)が対象とされています。

 

今回なぜレアメタルのリサイクルビジネスを取り上げたのかご説明します。レアメタルは、現在流通している様々な電気・電子製品、自動車などの重要な部品に使用されています。

 

しかしながら、国際的な需要の増大から需要量に対し生産量が不足する可能性があること、埋蔵場所(産出国)が偏在している(しかも日本にはほとんどない)ことなどの課題が指摘され、長期的な量の安定確保が現在も検討されています。

 

(例外はありますが、レアメタルの多くはベースメタル(鉄、銅、亜鉛など)の副産物として生産される(例えば、アルミニウムとガリウム、銅とコバルト、亜鉛とインジウムなど)ため、ベースメタルが枯渇しない限り、レアメタルが枯渇する危険性はあまりありません。)

 

代表的なレアメタルの可採埋蔵量や主な用途を表に示します。

 

レアメタル

可採埋蔵量※1

主な産出国(上位2カ国)※2

主な用途

リチウム

194年

ロシア、カナダ

リチウム電池

マンガン

40年

南アフリカ、オーストラリア

マンガン鋼、マンガン電池

コバルト

122年

コンゴ、ザンビア

永久磁石、磁器ヘッド

ニッケル

48年

ロシア、オーストラリア

ニッカド電池、形状記憶合金

ガリウム

不明

中国、ドイツ

青色発光ダイオード

ニオブ

71年

ブラジル、カナダ

超伝導材料

パラジウム

160年

ロシア、南アフリカ

化学品合成や排ガス浄化触媒

インジウム

9年

中国、日本

液晶ディスプレイ

タングステン

40年

中国、ロシア

フィラメント、高速度鋼

プラチナ

160年

南アフリカ、ロシア

燃料電池、アクセサリー

※1 出典 こでんプロジェクトホームページ

※2 U.S. Department of interior and U.S. Geological Survey

 

このため、代替材料の開発やリサイクルの検討などが国家施策として進んでいます。レアメタルのリサイクルの中で特に注目を集めている言葉が「都市鉱山」です。実は、地質中に含まれるレアメタルの合計埋蔵量は、一部の例外を除くとベースメタルの合計埋蔵量よりも多いといわれていますが、一般的に品位(地質中の埋蔵割合)が低いため、原料として供給するまでにかかる費用は高額になります。

 

しかしながら、製品単価も高いために資源として販売することができます。都市でごみとして大量に廃棄される家電製品などの中には、鉱山よりも高い品位でレアメタルなどの有用な資源が埋蔵されています。これを都市鉱山と呼んでいます。

 

鉱物資源に乏しいわが国は、この有用な財産を生かすため、「使用済小型家電からのレアメタルリサイクルモデル事業」などの国家施策によって、レアメタルを都市鉱山から低価格で生産(精錬)する方法や、効率的に収集する社会システムの整備などに取り組んでいます。

 

この取り組みは平成21年度末現在で、秋田県、茨城県、福岡県、八王子市及び江東区、名古屋市及び津島市、京都市、水俣市の3県6市区で実証試験が行われています。

 

 都市鉱山からのレアメタルの生産は、精錬所がある地域を中心に大規模に検討が行われています。しかしながら、静岡県は、全国10位の人口を有し、製造品出荷額は全国第3位など、レアメタルのリサイクル事業を行う上で十分な潜在能力を備えているものの、都市鉱山からレアメタルを効率よく取り出す施設や技術は未整備です。

 

このため、現在の段階で静岡県が特に注目すべきは「効率的に収集する社会システムの整備」だと考えます。

→ つづき

                           

 

平成22年6月

 

株式会社ヒラテ技研

エコエネルギー研究所 杉山 智

http://www.hirate.com/

 

 

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