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コラム 学識者・企業人はこう考える!

- 環境ビジネスに関して思うこと - 松下 秀鶴 氏

 

 私たちは毎日、色々な食物を摂り、水を飲み、空気を吸いながら生きている。生活には住居や衣類や火(エネルギー)なども欠かせない。約100年前まで私たちはこれらの殆どを再生可能な資源(色々な穀物・野菜、木綿・絹、薪・木材など)に頼っていた。しかし、ここ100年の間に驚くべき変化が地球上で生じた。その最大のものが人口の爆発的増加である。20世紀のはじめから今日までの107年の間に人口は16億人から66億と50億人も増えている。特に1950年から今日まで57年間に41億人も増えている。

 

  このような人口の急増を可能にしたのは科学技術の進歩に裏打ちされた大量生産・大量輸送の社会経済システムである。このシステムにより大量の再生不可能資源(石油・石炭・各種鉱物資源など)が消費され、様々な工業製品・輸送機械・工作機械が生産され、社会基盤の整備も急速に進行したばかりでなく、これら再生不可能資源から生産された農薬、殺虫剤、肥料、農耕機械、建設機械、プラスチック等により食糧や生活必需品の急激な増産がもたらされた。

 

 一方、人間のあらゆる行動には光と陰の両面が付きまとう。20世紀から急増した大量生産・大量消費・大量廃棄システムは生活の利便性や物質的豊かさをもたらした反面、再生不可能資源枯渇の危険性をもたらしたばかりでなく、生産・消費活動等に伴う排出物によって局地汚染から広域汚染、更には地球温暖化や気候変動を含む地球規模汚染を惹起し、われわれの生存環境に深刻な影響を及ぼしつつある。

 

 たとえば、1952年12月のロンドンスモッグ事件では、一週間に約3000人の過剰死亡がロンドン市民に見られている。このほかの世界の大都市や工業都市でも約50〜60年前から局地汚染による健康被害が問題となり、これらの事実を基に、国連も1972年の人間・環境会議(ストックホルム会議)を境に環境問題に力を入れ始めた。わが国においても1972年に環境汚染対策に関する法律が大幅に改正され、対策の強化が図られた。

 

 対策の強化は必然的に経済に影響を及ぼす。汚染対策は新たな対策技術と対策ビジネスの発達をもたらした反面、生産活動にブレーキをかけるとの批判が一部にあり、必ずしも汚染対策がスムーズに進行したとはいえなかったように思われる。すなわち、過去においては、汚染対策と経済活動を相反する概念として捉えていた人もかなりいたように思われる。しかしその後、環境汚染の広がりと深刻さに対する意識、人類は地球を離れて生存することはできないという現実が徐々に人々の間に広く浸透した結果、1992年の国連環境開発会議(リオ会議)以降、地球環境問題のほか地球規模の汚染問題にも大きな関心が寄せられるようになり、色々な対策が摂られるようになってきた。わが国でも同年、従来の公害対策基本法から環境基本法に改正され、将来に向けた夢のある環境の保全に取組む基盤が整備された。そしてここ十数年の間に、環境保全に関して色々な国際条例や国内法が制定され、環境保全に関する事業がビジネスといて認定されるようになってきたように思う。

 

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