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コラム 学識者・企業人はこう考える!

- 環境対応技術を世界へ - 静岡県環境ビジネス協議会 企画部会委員 佐塚 充 氏

 

佐塚氏顔写真 いま世界の食糧事情が悪化している。アメリカがバイオエタノールを作るため大豆畑をトウモロコシに変えている。シカゴの市場でトウモロコシは前年の2倍となり、大豆、小麦も急騰している。しかも中国が3000万トンと言う世界一の大豆輸入国となった。いずれ味噌、醤油、納豆、豆腐、魚など日本人が摂取してきた食品のアミノ酸やタンパク源も高騰する。経済財政諮問会議のように“(環境対策より)食料輸入対策を優先”といった意見が優勢となる政情である。

 

 しかし国の方針に逆らってNOX対策を進めたホンダ、ハイブリットカーの開発を進めたトヨタ。いづれも困難な状況に対して環境対策を旗印にした戦略は世界に受け入れられた。「環境破壊はテロより怖い。」というレスター・ブラウンの指摘が切実感を持ってきた。温暖化で国土がなくなる。中国の石炭火力発電60基の増設と車の増加でわが国の酸性雨の被害はさらに深刻になる。

 

 したがって環境対策とその技術開発を世界へ発信し、貢献することが今後のわが国の生き残る道でもある。幸い日本は味噌、醤油からさまざまな医薬品まで発酵分野で世界に通じる貴重な技術を有している。エネルギー創造の分野でもまだ多くの可能性を秘めている。

 

 先頃、本会のセミナーで静岡大学の平井助教授にお願いし白色腐朽菌の増殖で難分解性のリグニンやダイオキシン類が分解できるというお話をいただき多くの反響が得られた。また微生物活性剤を利用しての木や竹のチップを発酵処理して良好な成果も得られた。白色腐朽菌の有用性はいまや有数の大学や企業研究室で研究され、すでに70件を超える特許も出願されている。先日、京大農学部ではこの発酵による木材チップのエタノール化も成功したと報道がされた。バイオ技術の開発が環境ビジネスに大きなインパクトを与える。

 

 本県でも「森の力」事業が開始された。バイオマスも重要な発展の時機を迎えている。これらの微生物の増殖技術で木材や竹を発酵飼料化したり、土壌の改良による食品の質量を高め、食品の自給率が高められる。「森の力」が「土の力」と「エネルギーの力」を生み出すのである。

 

 例えば間伐材で発酵堆肥を作り、休耕田の活用で食料、飼料、バイオエネルギー原料を作る。食料の自給拡大が自然環境を向上させる。さらに環境技術・情報、産業間の連携と産官学のサポート体制を構築し、それを国内で推進していくことにより国民の食と安心できる生活を維持できるし、世界へ発信できる戦略的命題となりうるものと考えている。そこから次への飛躍を期待したい。

 

平成19年5月                               

環境ビジネス協議会

(企画部会委員) 佐塚 充

  

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