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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

おからで変える静岡の未来(静岡油化工業株式会社)

静岡油化工業 株式会社

設立年月:昭和57年
資本金:1,000万円
従業員数:25名

Co2排出量問題や枯渇が懸念される「原油」の代替燃料が模索される中で、原子力や太陽光、風力など様々なエネルギーをバランスよく取り入れることは日本のエネルギー事情を考える上で重要である。そんな中で、廃棄物を原料にエタノールを精製し、それを燃料として使用する、まるで未来の取組みとも思えることが、実際にここ静岡で始まっている。今回は静岡市でおからからバイオエタノールの製造を行っている静岡油化工業株式会社の営業部長池ヶ谷氏にお話を伺った。


―――最初に貴社の概要からお聞かせ願えますか?

当社は静岡県豆腐油揚商工組合指定工場として全国初の企業化を達成し、おからのリサイクル、植物廃油、鉱物廃油の再生を生業とし、昭和57年に設立しました。

おからはそのままの状態では腐敗しやすいため、乾燥させ、肥料・飼料・養魚原料に、植物廃油は飼料・養魚・燃料に、鉱物廃油はおからを乾燥させるためのボイラー燃料にリサイクルしていました。

現在は1日に60〜70トンのおからが搬入され、飼肥料化は12〜14トン、残りは廃ポテトと混合し、バイオエタノールの製造を行っています。

―――貴社の現在の全体事業をもう少し詳しくお聞かせください。

はい、まずは、先ほどお話したおから乾燥物の飼肥料化、この乾燥用のボイラー燃料は、ガソリンスタンドやディーラーから回収された鉱物廃油を当社で精製したものを使用しています。

これも先ほどお話しましたが、おからと廃ポテトの混合物を発酵させてバイオエタノールの精製を行っています。これらは混合ガソリン(E3等)用の原料となります。

また、バイオエタノール精製の過程から発生する有機汚泥は乾燥させて菌体肥料として流通しています。

スピンドライヤー

おから乾燥機

BDF製造機

BDF製造設備

それから、市町の廃油回収等で集められた植物油からBDF(bio diesel fuelバイオディーゼルフューエル。植物由来油から精製されるディーゼルエンジン用の燃料の総称)を精製し、弊社のおから等の回収車や自治体公用車の燃料として利用をしています。また精製過程で発生するグリセリンもボイラー燃料として利用しています。

当社で製造されたBDFは、自社の全車(ローリー、営業車、トラックなど約30台)に、路線バス、自治体・公社バス約110台、また7月からはNEXCO中日本の車両3台にも利用をいただいており、これらによる効果はガソリンで120kl(1,400kl/年),CO2削減量でいえば3,600トン-CO2/年にもなります。

 

―――おからを使用したバイオエタノール精製事業について、製造工程や特徴などについてお聞かせいただけますか?

バイオエタノール精製プラント

はい、おからをエタノールに精製する工程ですが、まずおからと廃ポテトに含まれるでん粉質を酵素等により糖化させる必要があります。次に糖質を、酵母を使用してエタノール発酵させ、エタノールを精製します。このときのエタノール濃度は8%程度で、E3燃料として使用する際には濃度が99.5%以上必要なので、蒸留・脱水工程を繰り返し、濃度99.5%のバイオエタノールを精製します。

昨年は新型インフルエンザ等対策で、事業所や量販店の入口には必ず消毒用アルコールが置いてあったと思いますが、消毒用アルコール等であれば、それほどの濃度は要求されませんので、安価に製造することも可能です。

バイオエタノールの研究については、北海道から九州・沖縄まで全国で11の試験研究が進んでおり、原料は、てんさい、小麦、建築廃材、食品由来廃棄物、サトウキビ等さまざまです。

ただし、木材由来の原料をエタノール精製の原料に使用する場合、糖化させる前に硫酸などを使用してリグニン等を分解する前処理が必要となりますので注意が必要です。逆にサトウキビ等の糖質を原材料に使用すると、糖化工程が省けるということがいえますね。

おから

当社で使用するおからの特徴としては、

@食料との競合がない

A年間を通じてロットが安定している

B回収システムが構築されている

C炭水化物が多い(収率)

D糖化が比較的容易

E熱エネルギーの利用形態ができている

F副産物(過剰酵母・蒸留母液)の利用が可能であり、ゼロエミッション構想が可能

G利用面での展開の裾野が広い(自社利用、県・市等との協力体制の構築(E3実証委員会)、将来のGSでの販売(スタンド経営)の可能性、等)

等の利点が挙げられます。

―――世界では、サトウキビ、テンサイ、トウモロコシ等がバイオエタノールの原料として最もよく利用されていますが、日本人が多く消費する大豆の搾りかすであるおからを原料にするというのは、大変理に適った原料であると思います。ところで、これらの事業の成功の鍵は?

一言で言えば、「技術3割、システム7割」です。

理に適っているか?コスト的に無理がないか?法規制には問題ないか?が大前提で、入口として「どんな原料を選択するか?」を検討します。我々の場合は元々が廃棄物処理業であるので、ここでは収集運搬や分別・品質の安定性などを考慮しました。

次が技術「技術的には可能か否か?」可能であるならば出口である「最終的な製品は何であるか?」、品質の安定性や供給体制・ルート、市場性などを考慮します。

大切なのは全体の仕組みづくり=システムであって、「技術ありき」ですと事業は成功しません。

 

―――最後になりますが、今後の展開について教えて下さい。

いま進めているプロジェクトは、遊休農地を利用したサツマイモ栽培から第一段階で芋焼酎を造り、第二段階で焼酎かすからバイオエタノールを精製し、第三段階で最後に残った本当の意味での搾りかすから肥料を製造し、サツマイモ栽培に戻すというものです。

本プロジェクトは、産官学の連携事業で、(社)静岡県環境資源協会が経済性評価を、静岡県工業技術研究所が技術アドバイスを、静岡大学が基礎研究を、杉井酒造が芋焼酎の製造を、当社がバイオエタノールの精製と肥料の製造を担当し、完成した肥料により、全ての源であるサツマイモの栽培を行うものです。

また、サツマイモは秋にしか収穫できないため、春は菜の花、夏はひまわりを栽培し、そこからBDFの製造をすることで、事業の幅が広がるのではないかと考えています。

一言PR
資源循環ビジネスモデルの構築に向け取り組んでいるところですが今後は食と農にエネルギーをからめた取組を計画しておりバイオ燃料についても液体から固体燃料化の取り組みを検討しております。

 

池ヶ谷 明(いけがや あきら)
静岡油化工業株式会社 営業部長
お気軽にお声をかけてください。

 

 

静岡油化工業株式会社http://www.shizuokayuka.co.jp/index.html
静岡県静岡市駿河区広野字東割2311-5
TEL:054-259-5175 FAX:054-258-4737
お問合せ:shizuokayuka@mail.wbs.ne.jp

 

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