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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

廃プラスチック油化による地域循環を目指して

豊富士商事(株)

従業員数:42名
資本金:3,000万円
創業:昭和42年5月

中国政府による「ナショナルソード2017」発動により、廃プラスチック市場は先行き不透明な状況だ。そんな中、裾野市にある豊富士商事株式会社では、廃プラスチックから軽油を生成する装置を導入、現在、稼働に向けて取り組んでいる。今回は赤松代表取締役とリサイクル事業部橋本主任にお話を伺った。

リサイクル・ビル清掃・一般・産業廃棄物相談所 豊富士商事株式会社 TEL 92-4112 FAX 92-4113



企業概要と廃プラスチックを巡る動向

当社は産業廃棄物・一般廃棄物収集運搬業務を主軸に、ビルクリーニング業務、一般貨物自動車運送業務、警備・保安業務の請負を業としています。
このたび当社では、廃プラスチックを原料に軽油を生成する装置を導入いたしました。
日本国内で発生した廃プラスチックは、焼却などで処分されるものを除き、国内でリサイクルされるものと、中国等を主に海外へと輸出されるものがあります。

これまで中国は古紙や廃プラスチック、金属類(いわゆる鉄くず)を海外から大量に購入していましたが、その中に粗悪なものが大量に混入する事態が相次いでいました。また自国(中国)内のリサイクル率向上のため、中国政府は平成29年2月に「国門利剣2017(ナショナルソード2017)」プロジェクトを立ち上げ、これらの輸入に規制を加える方針を決定しました。
中国に輸出されていた全世界の古紙や廃プラスチック類が行き場を失い、ごみになる可能性があり、今後の中国政府の方針に世界中から注目が集まっています。
既に国内でも、これまで有価で流通していた古紙や廃プラスチックに混乱が生じ始めています。

原油をはじめ資源の少ない日本で大量の廃プラスチックがごみになるのは本当にもったいない。数年前の話となりますが、廃プラスチックのリサイクル方法を模索していたところ、廃プラスチックを軽油化する装置があることを知りました。

J型油化機

油化した軽油類のサンプル

廃プラスチック油化装置

当社が導入した廃プラスチック油化装置は小型のJ型油化機で、1回の処理能力は20`で、軽油の生成に40〜60分程度(8時間4回稼働80リットル)です。
1kgの廃プラスチックからほぼ同量の軽油が生成可能で、副産物がほとんど出ないのが特徴です。
プラスチックにはたくさんの種類がありますが、当社の油化装置でリサイクルできるのはPS(ポリスチレン:発泡スチロール等に使用されている)、PE(ポリエチレン:ビニール等に使用されている)、PP(ポリプロピレン:エコキャップ)の3種類です。

原料となる廃プラスチックは分別後、熱軟化性樹脂減容機にてインゴット化します。インゴット化することで原料のストックスペースを抑えられるとともに、安定した油の生成が可能となります。
紙や金属等が入っていても、有機物は炭化し、金属類はそのまま、最終的に異物として排出されます。ただし、上記以外のプラスチック類や塗料、オイル等の混入は油の質の低下を招く恐れがあるため、きちんと分別する必要があります。この他に注意しなくてはならないものが、最近、緩衝材などに多く採用されている生分解性プラスチックです。
生分解性プラスチックは見た目や手触りがプラスチックと同等ですが、原料はトウモロコシ等の有機物のため、軽油にはなりません。

インゴット

インゴットに加工するための熱軟化性樹脂減容機

生分解性プラスチックの一例(これはトウモロコシ)

壁、超えればまた壁

当初は全ての廃プラスチックがリサイクルできると思っていましたが、廃プラスチックの種類によって完成する油の質が異なり、色々な試験を繰り返した結果、実用可能な廃プラスチックは3種に限られることが判明しました。
また完成する軽油は引火性物質のため、製造や保管に当たり様々な規制を受け、そのための許可や届け出が必要です。販売に当たっても軽油引取税と石油税と消費税がかかるため、おのずと書類の量も増えていきました。
この事業に取り組むに当たっては、前例も少なく、相談できる人もいなかったため、進むたびに壁があり、試行錯誤しながら、ひとつひとつその壁を突破していった、というのが正直なところです。

地域での循環を目指して

裾野市は容器包装プラスチックの分別収集を行っていますが、ごみの中には容器包装以外の各種廃プラスチックが排出され、焼却処理されています。 市と連携し、これらを当社でリサイクルできれば、焼却ごみを大幅に削減でき、焼却炉の延命化(プラスチック類は熱量が高いため、焼却炉の炉壁へのダメージが大きい)、またひっ迫する埋立処分場の延命化にも繋がります。
市内で発生した廃プラスチックを当社でリサイクルし、完成した軽油を市のごみ処理施設等で使用することができれば地域で循環させることができ、大幅なコスト削減が可能です。 平成29年10月10日には、市長や関係者らを招待したデモンストレーションを行い、多くの皆さんに当社の取組みをPRすることができました。日本中で処理に困っている廃プラスチックの有効利用になるよう、今後も事業化に向けて邁進する所存です。



  豊富士商事株式会社
  赤松 剛(あかまつ たけし)
  (写真右)代表取締役

  橋本文雄(はしもと ふみお)
  (写真左)リサイクル事業課主任

 

 

 

 

豊富士商事株式会社
裾野市伊豆島田341-1
電話055-992-4112 FAX055-992-4113
e-mail:recycle@shizuokanet.ne.jp
(迷惑メール対策のため@が大文字になっています。小文字にしてからメール送信してください)


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