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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

地産地消×地域の台所(とれたて食楽部)

取材先:とれたて食楽部(株式会社プランエコ)


開  店:2007年10月25日
資本金:1,500万円
従業員数:16名(テナント従業員を含まず)

全国各地で農産物の直売所に人気が集まる中で、今回は、袋井市にある静岡製機(株)の子会社(株)プランエコの運営する、ちょっとかわった農産物直売所「とれたて食楽部」の店長村松氏にお話を伺った。


―――最初に御社(貴店)の概要について教えてください。

当社は、農業機械メーカーである静岡製機(株)が、平成19年度に新たな事業として開設した農産物直売所「とれたて食楽部」の運営を行う子会社として設立された企業です。

「旬・鮮・旬・食(旬なものを・新鮮なものを・旬なうちに・食べて頂こう)」を店舗コンセプトに、地産地消の考え方のもと、地元静岡県袋井市を中心に県西部地域の農産物・加工食品・手工芸品を販売するお店として開業いたしました。

地元の生産者がつくったものを、地元の消費者が活用する、その活動を通じて生産者が潤い、消費者が喜ぶ、当たり前のことですが、これがとれたて食楽部の目指すところです。

販売形態は、会員登録された農家が、自分の作ったものを自分で袋詰めし、自分で値段を決めて、自分で陳列する方式で、当店は販売場所の提供を行っています。ですから陳列されている商品売上の90%が会員からの委託販売商品売上で、会員数は約500会員です。

緑のカーテン

店内に掲示された会員の名札 


―――なぜ農業機械メーカーの静岡製機さんが農産物直売所を開設されたんですか?

静岡製機は大正3年から農業機械を製造して今年で97年になる老舗メーカーです。その間にたくさんの農家の皆様にお世話になりここまで参りましたので、農家の皆様へ何か恩返しができないか、という発想の中で、直売所を開設することになりました。

また静岡製機本社のある袋井駅前は、不況の煽りを受け、元気のある状態とはいえません。当社社長の生まれ育った街でもあり、なんとか駅前の活性化の一助にと、静岡製機本社のすぐ前にあった倉庫を改装し、店舗としました。

―――このたび静岡県で始めた「ふじのくにエコショップ宣言」に登録をいただきましたが、貴店での取り組み内容について教えていただけますか?

容器包装の削減
商品の販売時、トレイの使用を極力避け、商品化の包装資材はダイオキシン発生の原因となる塩ビ製は採用せず、PPを使用するよう農家に働きかけています。

マイバックの促進
レジ袋の有料化を店舗オープン時から採用し、現在は80%以上のお客様にマイバックを持参いただいています。ただ、当時はレジ袋有料化の先駆けで、「ケチな店だな」と言うクレームが多かったです。

修理サービスの提供
着物や衣類、木工品の修理等を会員が実施しています。安価のためリピーターが多いサービスです。

紙製袋で販売されている米

古紙回収ボックス

 

使い捨て製品の使用自粛
容器包装の削減同様、トレイ等の使い捨て製品の使用自粛を会員と協力して行っています。

規格外製品の販売
当店は販売する製品に規格を設けていませんので、規格外という概念は存在しません。あえて規格という言い方をするならば、それは購入されるお客様が決めることだと思います。

当店がそういったコンセプトでやっているものですから、来店されるお客様もそれをご理解いただいて、逆に安心・安全を求めて来てくださる方がほとんどです。多少の虫食いのものなどもありますが、クレームなどはほとんどありません。

資源物の回収促進
以下のものを、地域のNPO等と協力して店頭回収を行っています。(回収対象品:PET、トレイ、牛乳パック、ダンボール、新聞、雑誌)
ごみが入るようなこともたまにありますが、利用して下さる方が多いのでがんばって続けています。

リサイクル商品の販売
古布やはぎれを使った再生品、堆肥・肥料の販売を行っています。

環境配慮型製品の使用
米の袋は紙製の袋を採用しています。出荷商品の包装資材はPPを使用するようにしています。

めずらしい種類の野菜や

曲がった野菜もあります

省エネへの取組
電力デマンド(消費電力監視システム:リアルタイムで電力使用量を表示するシステム。予め設定した電力になるとアラームなどで警報をする)を導入し、店舗全体で節電に努めています。また店舗内の照明を一部落とし、緑のカーテンも採用しています。

地産地消の促進
陳列商品売上の90%は地元県西部地域産のものです。当店は駅の近くで、周りはほとんどが住宅街です。近隣住民さんは、当店にスーパーマーケットとしての機能を求められますので、農産物直売所でありながら、一部、地元以外からも商品を仕入れて、お客様のニーズに応える努力をしています。

環境教育の普及
これは2つあって、一つは会員の農家さんとの環境教育、もう一つはお子さんたちとの環境教育です。まず前者ですが、よりよい品を供給するために、農家さんたちと環境教育を行っています。安全・安心の農産物だからといっても、虫が付いていていいわけはありませんので、虫の除去方法、農薬や放射能のことなど、4回/年程度の勉強会を開いています。

後者については、ご来店いただいているお客様と小学生のお子さんたちと食育という観点から、昨年より田植え〜収穫までの作業を実施しています。生産者の方々と会話する中で、やってみたら楽しそうだね、という話になって実施してみたところ、行政からの応援もいただき、地元のみなさんと行政と当店の取り組みに発展してきています。

生活環境の保全活動
様々なジャンルの店舗の方と、みんなで袋井市をよくしようという発想のもと(FEC:Fukuroi ecoaction community)、まちの美化などに取り組んでいます。

小学校の社会科見学のお礼

リサイクル商品の販売

             

―――ずいぶんたくさん取り組みをされていますね。失礼ですが、直売所さんが、なぜこんなにもたくさんの環境への取組をされているんですか?

わたしは、経営に環境への取り組みは必須だと考えます、特に当店のように地域密着型の店においては、環境への取り組みをしないことには地域に受け入れられないですね。

もちろんその分の経費はかかりますが、地域育成にも繋がり、巡り巡って当店に還ってくると思っています。

―――それから、通常のスーパーマーケット等と違い、よく「生産者の顔が見える」と表現されたりもする販売形態ですが、農産物の提供をしている農家からの反応はいかがですか?

これまでの農家の仕事は農産物の生産までで、直接、お客さんから、自分の作った農産物に対する意見や反応を聞く機会がありませんでした。それが当店では、農家さんもお客様からの意見を直接聞けますので、消費者が何を求めているのかがわかることは農家の方々にとって、とても大きな変革への情報源となっています。

当たり前ですが、お客様からの声に対して聞く耳を持ち、工夫をする人の農産物は売れ、そうでない人のものは売れ残ります。売れ残ったものは、陳列した農家さんに責任を持って持ち帰っていただいています。

もちろん当店で処分することは可能ですが、それでは農家さんはいつまで経っても成長できません。

また、商品をご覧いただければわかりますが、商品には全て生産者の氏名が記入されておりますので、買い手側は生産者の氏名を購入する際の判断材料のひとつにされています。

農家さんの中には、自分の商品の売れ行きが気になって、一日に4回も来る生産者の方もいらっしゃるんですよ。

―――ありがとうございました、最後に今後の展開や取組みたいこと、目標等ありましたら教えてください。

もっと農家に積極的に販売業務に参加をして欲しいと思っています。

当店は、最初に申し上げましたが、農家の皆さんの委託販売の場ですので、生産者自身が、どうやったら商品が売れるかを考えて生産することが重要と考えています。

それは例えば、めずらしい品種の提供だけではだめで、その食べ方をお客様に教えたり、ありきたりの農産物でも農家しか知らない調理方法の案内だったり、いろんな工夫をどんどんやっていただきたい。

お客様の声に真摯に耳を傾け、生産するだけの農業から、売れる商品を生産する農業への切り替えが、いまの農業、農家に求められている事と考えます。

一言PR
とれたて食楽部は「物売り」(売れればよい)の店づくりではなく、「事売り」(販売商品には全て思いがこもった。訳あり)の店作りをしたいと考えています。その為に生産者にどんな支援をしたらよいかを常に考えております。皆さまのご意見を頂戴頂ければ幸いです。

村松 英明(むらまつ ひであき)
とれたて食楽部 店長 
学校卒業後、中堅スーパーマーケットに約20年在籍しその経験を生かしてその後全国のスーパーマーケットの現場指導を行ってきました。
生まれ育った袋井市の老舗企業である静岡製機株式会社が農産物直売所を開設する事を聞き、その開設理由に感銘し参加する事になりました。現在「とれたて食楽部」の店長として勤務中です。

 

 

とれたて食楽部( http://www.toretate-club.com/ )

袋井市山名町3−3 (株式会社プランエコ)

Tel:0538-41-1100 fax:0538-43-2055

お問い合わせ →こちらをクリック(問い合わせ画面が開きます)

 

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