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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

地下水を利用した熱交換でエアコン可動(前編)(静岡県くらし・環境部環境政策課)

静岡県では、富士山周辺の豊富な地下水の有効利用策の1つとして、富士、富士宮地区に地下水を利用した熱交換器による空調機器を導入しました。前編はシステムについて県環境政策課にお話をうかがいました。
また後編には導入先の五條製紙株式会社さん、お宮横丁さんにお話を伺いました。

 


〜県環境政策課〜

事業実施のきっかけ、背景などについて教えてください。

 平成22年度から平成24年度まで、県では環境衛生科学研究所が中心となってプロジェクト研究として、「富士山における水循環の解明と持続可能な地下水利用に関する研究」を行いました。
 富士山は、豊富な地下水を蓄える「天空ダム」といえる特長があります。富士山は三層構造となっており、一番上の新富士火山は水を通しやすく、その下の古富士火山は水を通しにくいため、富士山に降った雪や雨は地下水となって新富士火山の中を流れ、末端で湧き出します。

 富士山周辺の地下水の特徴としては、水量が多く、水温が低く、流れが速いことがあげられます。また、富士山周辺には既存の井戸がたくさんあります。 県ではこうした富士山周辺の豊富な地下水の利用方法について検討していましたが、地球温暖化対策を進めるため省エネルギー対策の一つとして、地下水を利用した熱交換システムの普及に取り組むこととしました。
なお、このシステムは、県が進める内陸フロンティアを拓く取組の中に位置づけられています。


地中熱交換と一般的なエアコンに使用される空気との熱交換を比較すると、それぞれにどのような特徴がありますか?

 地下水を含む地中熱を使った熱交換システムの導入事例は、国によると2011年時点で、日本全体で990件のみ、県内でも数例があるのみです。
普及の足かせは通常の1.5倍というイニシャルコストで、熱を交換する採熱管を地中に入れるための土地の掘削費用が高額な上、普及が進んでいないことにより機器そのものの価格も一般的なエアコンに比べて高いのが現状です。
既存井戸を使えば、掘削費用は不要になりコストが抑えられるので、そのことも、県が普及を進めているシステムの特徴でもあります。

 また、熱交換のために新たに地下水を汲み上げないので、環境への負荷も少ないと考えています。
消費電力は一般的なエアコンと比較した場合、年平均で約1/2で、更に夏季の不快な室外機からの熱風の発生がなく、ヒートアイランドの抑制にも貢献します。
地下水は、外気(空気)と比べて温度が安定している上、水は同じ容積の空気と比較して3,500倍の熱を蓄えることができるのでより効率的な熱利用が期待できます。

 ただし、水がないところや、水があっても水量や温度等の条件が揃わないと導入はできません。また一方的に熱をもらうだけ、または渡すだけに偏りすぎた使用は、熱が蓄積する心配があるとされています。

 地中熱交換方式は、世界的には一般的な技術で、ヨーロッパ等では融雪のために広く利用されています。日本でも北海道での同様な用途での導入が多いです。  
日本では、地形が複雑な事などから欧米に比べボーリングに要する費用が高く、普及が進んでいないといわれています。
 日本で一番有名なのは、東京スカイツリーで導入されている地中熱交換システムでしょうか。

どのようなシステム(仕組み)でしょうか?

一般的には、ボーリングで地面に穴を空け、そこに熱交換をするために採熱チューブを入れる方法です。チューブの中には不凍液等の熱交換をするための液体が入っていて、これをポンプで循環させることにより、地中から熱だけを取り出す仕組みです。
 地下水を活用した熱交換システムを広く知っていただくため、井戸を保有し、システムモデルの設置に協力していただける企業を募集し、富士市と富士宮市の各1か所にシステムモデルを設置しました。
 どちらも井戸の深いところまで採熱チューブを入れる必要もない環境だったため、今回は採熱チューブの代わりに普通自動車用のラジエータを使用しています。

 現在は2台とも順調に稼動しており、外気温、室温、井戸の水温、熱交換前後の不凍液の温度変化、流量、気象についてデータを収集しています。
 実際、どの程度の熱が採れ、効率的な運転ができているのか、COPなど検証していきます。

※COP(消費電力1Wあたりの冷却・加熱能力を表した値。エアコンのエネルギー消費効率の目安として使われる)

 国による地中熱交換システムに対する補助金も用意されています。対象は中小企業が導入施設で10kw以上、それ以外は20kw以上となっています。

最後に今後の展開についてお聞かせください。

お話したように、地下水の利用には条件もあり、どこでどの程度のエネルギーが見込めるのかもわかっていません。地下水熱利用の普及には、どこでどのくらいの熱の利用が見込めるかを把握する必要があります。

そのため県では、富士山周辺における地下水熱利用システムの適地マップや導入マニュアルの作成に向けて、地下水の温度等の調査を実施しているところです。

後編は、今回のシステムを導入した五條製紙株式会社さん、お宮横丁さんのレポートです。 → 後編へ

● 熱交換システムの補助金は、「(一社)新エネルギー導入促進協議会」にあります。

http://www.nepc.or.jp/topics/2013/0527_2.html

● 県の温室効果ガス削減対策支援事業費助成のご案内

設備の更新・改修により温室効果ガス算定排出量の削減が見込まれる事業(例: ヒートポンプ式空調機、LED 照明、インバータ制御の導入等)

http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-030/earth/hozyokin/hozyokinshinsei.html

 

今回の事業に対する問い合わせ

静岡県 くらし・環境部 環境局 環境政策課
〒420-0853 静岡市葵区追手町9-6
TEL:054-221-2421


 

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