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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

静岡県オリーブ連絡会(H28)報告

平成28年度第1回静岡県オリーブ連絡会が、平成28年11月18日(金)に、静岡産業大学情報学部(藤枝市駿河台)にて開催されました。主催は静岡県環境ビジネス協議会、オリーブ産地化研究会、静岡産業大学情報学部、地域学・O-CHA学研究センター、後援は静岡県、藤枝市、静岡新聞社・静岡放送。

 


 最初に静岡産業大学の堀川智廣学部長より開催趣旨やこれまでの成果についてあいさつがあり、その後、日清オイリオ家庭用事業部主席鈴木俊久氏より、「国内オリーブオイル市場の現状と、オリーブオイルの品質に影響を及ぼす要因について」というタイトルで講演がありました。さらにオリーブの栽培、生産、販売の情報交換、事例紹介、参加者質疑による情報交換が行われました。
 今回は、日清オイリオ家庭用事業部主席鈴木俊久氏の講演とその後の情報交換を中心にご紹介します。

基調講演
「国内オリーブオイル市場の現状と、オリーブオイルの品質に影響を及ぼす要因について」
日清オイリオ家庭用事業部主席 鈴木 俊久 氏

国内オリーブオイル市場の現状

 日本のオリーブオイル輸入量は、2015年に5.72万t、1990年と比較して15倍に増加しています。オリーブオイルの需要が伸びている理由として、以下の2点が挙げられます。 1つは、健康によいと言われていることです。日清オイリオが独自に実施したアンケートによると、オリーブオイルの今後の使用意向(年代別)では、50〜60代は、今後オリーブオイルを多く使用したいと回答する割合が、他の年代に比較して多い結果となりました。またオリーブオイルの健康イメージでも、「非常に体に良いと思う」と「やや体に良いと思う」の割合の合計が、他の年代と比較して多い結果となったことが報告されました。 ?

 もう1つが、オリーブオイルの使い方です。イタリアやスペインでは、様々な料理にオリーブオイルをまるでソースのようにかけて使用します。いまから25年前の1990年頃の日本では、いわゆるサラダ油の代用というイメージの使い方しか知りませんでした。オリーブオイルの使い方がだんだん知られるようになり、いまでは納豆や豆腐(やっこ)等の日本の日常食に、オリーブオイルが使われるようになりました。つまり、オリーブオイルの使い方が日本人に広く浸透し、使い方の幅が広がったのです。 ?

オリーブオイルの品質に影響を与える要因とその管理について

 オリーブオイルに関するトラブル事例は、品質に適合していない(風味の欠点)、内容物の偽装(他油の混合)、コンタミネーション(農薬、添加物等)、不適切表示が挙げられます。ではなぜ、このようなことが発生するのかといいますと、それはオリーブオイル製造の流れを知る必要があります。 ?

オリーブオイル製造の流れ

@原料果実生産者→A搾油処理業者→(仲買人)→B製品製造業者→C輸入業者→販売業者/製品製造業者

これを段階的に細かく見ていきますと、各段階で以下の品質に与える要因が挙げられます。

@原料果実(オリーブ)生産者
品種だけでなく、天候や技術により原料オリーブの品質・生産量が変動。

A搾油業者
オリーブオイルの搾油方式や使用する装置、油の保管条件

B製品製造業者
調合・濾過、容器への充填時の様々なリスク(異物対策、農薬管理)、特に重要な課題は生産国の人的要因(感覚に対する認識が異なる)

C輸入業者
品質の劣化(熱帯地域通過による劣化等、輸入時のトラブルは致命傷) ?

 これらを管理するのに、我が国の現状のオリーブオイルの関連法規は、品質規格(JAS規格(任意法))、その他の関連法規(食品衛生法、食品表示法、景品表示法、健康増進法等)であり、オリーブオイルのJAS規格の区分は、オリーブ油と精製オリーブ油の2つのみしか存在しません。 ?

 これに対して海外では、IOC、EC、Codex、AOA、USA等の多くの規格により、オリーブオイルの高い質を保っているのです。最も知名度のあるIOC規格は、適用規格、名称と定義、純粋性の確認等の11の項目に大別され、それぞれに小項目が存在します。日本はIOC規格非加盟国であり、既存の国内法規との整合性、IOCが認定する化学分析、官能評価機関が不在、輸入業者への管理コストの増加(分析費用や不合格時の処分)が日本でのIOC規格運用の課題となっています。 ?

 オリーブオイルは、長い食経験に裏付けされた自然食品です。特殊な栄養効果よりも、毎日食べ続けることが健康に繋がるのではないでしょうか。 ?

情報交換会

 日本平で4年前からオリーブの栽培をしている塚本武洋氏は、搾油用と塩蔵用に13種類のオリーブを栽培しています。 栽培3年目の昨年は20本の木から60kgを収穫しました。 今年は病気により、選果して25kgの収穫となりましたが、オイルの質は良かったです。 ?

 病気は炭疽病で、高温多湿を好む病原菌は、オリーブだけでなくキュウリやトマト、カキなど様々な植物に感染する病気です。炭疽病に罹病したオリーブの実が混入したまま搾油すると、カビ臭が混じり、欠点のあるオイルとなってしまいます。炭疽病に感染したオリーブの実は黒く変色し、周囲の実に次々と伝染する強い感染力をもち、また収穫後であっても、炭疽病に罹病したオリーブの実は感染力を持つため相当の選果が必要となります。 ?

 炭疽病は大きな課題ですが、それ以外にも、剪定作業、収穫時期と選果基準、搾油機がないと収穫時期の自由度に影響がある、手収穫は限界がある等課題は山積みです。 ?

 よいオイルを搾油し、よい状態で保存するには、最高の状態で収穫し、酸素と触れさせないように保管することが大切です。また品種によって香りや劣化のスピードも異なるため、ブレンドする技術も重要です。今は健康志向のため、オイルの色はより緑色に近いものが求められていますが、その時々の背景が異なり、一概に言えるものではありません。今、日本中でオリーブの栽培に挑戦する人が増えてきています。 

 品種だけでなく、同じ品種でも収穫場所により風味が異なる場合もあり、こうした違いを認識するためにも品評会を実施し、皆で味わいや風味を共有することは良いことだと思います。静岡に相性の良い品種を見つけることが大切です。

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県内産のオリーブ

挨拶をする静岡産業大学堀川智廣学部長

日清オイリオ家庭用事業部主席鈴木俊久氏

オリーブオイルのテイスティング

50名ほどの参加者

情報交換会の様子

 

 

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