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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

PS×リサイクル×土壌改良材(前編)(日本製紙株式会社、株式会社フジタ)

紙の製造過程で発生する廃棄物「ペーパースラッジ(以下、PSとする。)」は製紙会社の努力によりその大半が再生利用されるようになってはいるものの、まだ1割程度は、埋立て処理に廻されているのが業界の現状である。さらに古紙リサイクル率の高まりとともにPSが増加するという課題もある。今回はPSのリサイクルに取組む日本製紙鰍ニ潟tジタの担当者に話を伺った。


事業実施の背景   - 日本製紙叶野氏 -

日本製紙株式会社吉永工場では、主に古紙を利用した再生紙の製造を行っています。敷地面積は52万7千u、従業員数は約170名、生産能力は57万t/年です。
近年では古紙利用率は工場全体で90%を超え、吉永工場での古紙取扱量は40,000t/月にも上ります。

紙をリサイクルする際に必ず発生するのがPSで、繊維くず、填料やインク成分等からなります。PSは有機物を多く含有し、燃焼することでその熱量をエネルギー原として活用する、或いは減量のために焼却するという処理が通常行われています。

吉永工場でのPS発生量は4,000t/月で、バイオマスボイラーにてエネルギー利用後、約2,000tのPS灰が残ります。これらはセメント原料として処理していましたが、セメントそのものの需要が減少し、処理コスト上昇という事態を招いていました。

当社としては、今後、セメントのみの処理に頼るのではなく、処理方法を分散させる=リスク分散の必要がありました。

PS焼却灰

FTマッドキラー

- 株式会社フジタの望月氏 -
私の恩師である、故今井五郎横浜国立大学教授が、静岡県のPS灰の地盤材料への適用性検討に関する研究を国内における先駆けとして行っており、株式会社フジタも横浜国立大学と共同でPS灰に関わる基礎的な研究を進めていました。

さらに建築顧客となる製紙会社への営業活動としても、長年にわたりPS灰の有効活用にかかわる研究に携わり、日本全国の製紙工場から排出されるPS灰について様々な利用用途の検討を行っていました。

当社が属する建設業界では、浚渫土や建設発生土、建設汚泥の処理が最終処分場の逼迫と相まって大きな問題となっていることから、高吸水性能を有するPS灰を大量に活用できる泥土改良材が最終的な開発目標となりました。

港湾やダムの浚渫汚泥、またトンネル工事等で発生する高含水の泥土は、そのままではトラックに積めないほど水分が多いため、一般的にはセメント系や石灰系の改良材を加えることでその性状を改良します。

しかしながら、セメント系固化材では、固化するまでの養生期間が必要であり、工事期間の短縮化や養生場所の確保が困難な都市部においては、施工業者の頭を悩ませる深刻な課題の1つでありました。

また、改良土の六価クロム汚染やアルカリ化も改良土の転用用途を制約する要因となっています。石灰系固化材でも、セメント以上に高アルカリとなること、改良時に発熱するため、取扱い及び貯蔵時に消防署へ届出書提出が義務付けられるなどの課題があります。

FTマッドキラーにて改良後の泥土

改良前の泥土

こうした問題を解決すべく、浚渫土に代表されるような泥土を安全かつ安価、狭い場所で養生期間なしに瞬時に改質処理してあらゆる場所に活用可能にする土壌改良材として考えられたのがPS灰を活用したFTマッドキラーです。

吉永工場様のPS灰は、上記条件を満たし、理想に近い性状であったこと、さらにこうした材料の社会的需要は、今後一層高まるものと考え、潟tジタと日本製紙葛g永工場は、共同で製品開発を行うことになりました。

両者におけるFTマッドキラーの開発は、図1に示すとおり単一の産業内では解決できない問題に対して、異なる産業界での協力体制を整備することにより、地球環境問題まで踏まえた産業間のゼロエミッション化を進めるものです。

環境負荷低減を目指した循環型社会構築への貢献度、社会的意義及び使命は、非常に大きいものと自負しており、特に近年における社会的ニーズである生態親和性まで含めた周辺環境の改善や震災復興対応も可能な発展性のある技術開発となっています。  

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日本製紙株式会社吉永工場http://www.nipponpapergroup.com/)富士市比奈798番地
TEL: 0545-57-3212 FAX: 0545-57-3441

株式会社フジタhttp://www.fujita.co.jp/
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-2
TEL:03-3796-2285 FAX:03-3796-2304


 

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