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 ((一財)静岡県生活科学検査センター)

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平成27年度 水環境と浄化槽講座 長泉町の自然環境を今考えましょう ((一財)静岡県生活科学検査センター)

平成27年度 水環境と浄化槽講座 長泉町の自然環境を今考えましょう ((一財)静岡県生活科学検査センター)

平成27年度「水環境と浄化槽講座」が、平成27年11月20日(金)に、長泉町文化センター「ベルフォーレ」にて、一般財団法人静岡県生活科学検査センターの主催で開催されました。


第1部では、漫画家・エッセイストの赤星たみこ氏より、「水をきれいにするくらし」と題して講演が行われました。
赤星氏は宮崎県日之影町出身、昭和54年に漫画家としてデビュー後、エッセイなどでも幅広い層に支持を受け、映画化やテレビドラマ化された作品も多数あります。多忙な生活の中で、ごみ出しがままならないことから始めた「ごみを少なくする工夫」や、趣味で始めたエコロジーが高じて、今では環境問題を考える講演会でも大変人気があります。

第2部のパネルディスカッションでは、赤星氏の他、静岡県くらし・環境部環境局生活環境課長の市川加代子氏、NPO法人富士市のごみを考える会理事の佐野勝美氏が、コーディネーターの常葉大学社会環境学部教授の小川浩氏の進行の下、主に静岡県東部地方の河川環境や浄化槽について議論を交わしました。

第1部 講演 水をきれいにするくらし 講師:赤星たみこ 氏

 

 

 

 

 

 

 

 


日本は水に恵まれている国というイメージがあるかと思いますが、本当にそうでしょうか。日本の食料自給率はカロリーベースで40%を切っています。食糧生産にはたくさんの水が必要で、食料の大半を海外からの輸入に頼っているわが国は、海外で多量の水を消費しているのです。

日本の生活排水の処理方法は、合併処理浄化槽、単独処理浄化槽、下水道、汲み取り、等、いくつか種類があます。
今日は水環境と浄化槽講座のため、主に浄化槽に焦点を当ててお話したいと思います。
浄化槽には、単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の2種類があります。単独処理浄化槽は、トイレからの排水や汚物のみを処理する設備で、合併処理浄化槽は、トイレからの排水や汚物に加えて、お風呂や台所からの排水などの生活排水を基本的にはすべて処理するものです。

合併処理浄化槽のよいところは色々とありますが、1つめに、川の水の量と質が保たれることにあると思います。合併処理浄化槽が導入されている住宅では、使用後の排水は浄化槽できれいになって、川へと流れていきます。これに対して下水道は、排水が下水道を使って終末処理場に運ぶため、排水は川を流れません。
2つめは、災害に強いということです。地震等でトイレが使えなくなった場合、合併処理浄化槽がある住宅では、浄化槽の蓋を外し、便器を乗せ、簡易テントを設置すれば、トイレとして十分機能します。また、浄化槽で浄化した中水を利用できるようにしておくことで、災害時の水の確保だけでなく、普段は庭の散水、トイレの水にも使用することができます。

現在、汲み取りや単独処理浄化槽をご使用の方は、是非、合併処理浄化層槽への切り替えをオススメします。

ただし、合併処理浄化層槽は、微生物の力で水をきれいにするため、一般的な塩素系の漂白剤などを多用することは、浄化槽にとって大きな負担になります。
私は、合成洗剤は使用せず、粉末の過炭酸塩(過炭酸ナトリウム)を使用した酸素系漂白剤とせっけんを使用しています。
具体的な使用方法は、こちら http://egorozist.exblog.jp/21637532

浄化槽のメンテナンスに年に数回、事業者の方が来られると思いますので、是非、一緒に立ち会って、ご自宅の浄化槽の状態を伺ってみてください。

パネルディスカッション
パネラー
漫画家・エッセイスト 赤星たみこ 氏
静岡県くらし・環境部環境局生活環境課長 市川加代子 氏
NPO法人富士市のごみを考える会理事 佐野勝美 氏
コーディネーター 常葉大学社会環境学部教授 小川 浩 氏

小川氏
長泉町は、汚水処理人口普及率(※)が89.5%と、県平均である77.8%に比べて高くなっています。東部の河川は水質がよいという印象もあります。
※ 汚水処理人口普及率とは、下水道、農業集落排水施設等及びコミュニティプラントを利用できる人口に合併処理浄化槽を利用している人口を加えた値を、総人口で除して算定した、汚水処理施設の普及率

市川氏
県東部の主な河川は、例えば大場川では、昭和47年度のBOD(河川の汚れを示す指標の1つ。目安として、BOD5mg/Lで鯉、2mg/Lでアユが生息可能。)は30mg/Lでしたが、平成25年度には2mg/Lまで減少し、きれいになりました。
黄瀬川や狩野川も同様に、以前に比較して大変水質がよくなっています。これは、昭和40年代に行われた、工場等の事業所からの排水に対する規制と、その後の家庭への浄化槽や下水道等の普及による成果です。
現在、川の汚れの原因の多くは大部分は生活系の排水が占めており、未処理の生活排水を河川に放流しないようにする必要があります。下水道や合併処理浄化槽は、し尿だけでなく、台所やお風呂の排水まで処理をします。でも、単独処理浄化槽は、し尿しか処理をしません。汚れを河川等に排出する量は、下水道や合併処理浄化槽の8倍です。
そこで、地域の水環境をよりよくするには、単独浄化槽をご利用の方は、合併処理浄化槽への転換を、下水処理区域にお住まいの方は、下水道への接続をお願いします。
合わせて、浄化槽をご利用の方は、保守点検、清掃、法定検査を実施して、浄化槽の性能の確保をお願いします。

小川氏
いま下水道のお話が出ましたが、静岡県の生活排水の処理は、下水道が62%、合併処理浄化槽が15%、コミュニティプラント等が1%、残りの22%が未処理(単独処理浄化槽等)となっています。

佐野氏
下水道整備が全国的に見直される中、私の住む富士市でも下水整備事業の見直しがあり、42億円の整備費用が、事業見直しにより削減されました。そしてこのお金の一部は、浄化槽維持のための補助金として、浄化槽を設置している市民に支払われるようになりました(1基あたり18,000円)。
いわゆる11条検査(※)の実施率が76%(平成26年度)と、県平均の倍以上の実施率となっているのも、補助金の恩恵だと考えております。先ほどの赤星さんのお話でも出ましたが、浄化槽設置者に対する免税制度が、全国的にも望まれているのではないかと推察いたします。
※浄化槽の維持管理が適正に行われ、浄化槽の機能が適正に発揮されているかを確認する検査。年1回の受検が義務付けられている。

小川氏
下水道事業の見直しで削減された費用を、浄化槽維持の補助に使用されたのは、全国的にも大変参考になる事例になるのではないでしょうか。
さて、赤星さんは、先ほどの講演でもお話がありましたが、ご自宅に浄化槽のメンテナンス業者さんが来られると立ち会い、お話を伺うそうですね。

赤星氏
はい、私の自宅は合併処理浄化槽を使用しており、浄化槽メンテナンス事業者の方が来られると、立ち会って一緒に見たり、話を聞いたりしています。先ほどの講演でもお話をしましたが、石けんと粉末の過炭酸塩(過炭酸ナトリウム)を使っているので、合併処理浄化槽の状態は大変よいと褒められています。

ですが、過去に一度だけ、浄化槽の状態が悪くなったときがありました。
私の自宅では猫を飼っているのですが、燃えるごみに出すタイプの猫砂から、トイレに流せる猫砂に替えて、トイレに猫の排泄物を流したことが原因でした。人間以外の動物の排泄物の多くは、栄養分がとても高いらしく、浄化槽の処理能力に対して負荷をかけてしまうようなんです。もちろん、猫砂は、すぐに燃えるごみにするタイプに戻しました。浄化槽の健全な維持のために、皆さんのご参考になればと思い、お話させていただきました。

小川氏
水がきれいならば、人は生きていくことができます。今後、静岡県を含めたわが国は、人口の減少、地方自治体財政の悪化、インフラ整備の進捗・維持の困難化が予測されております。生活排水処理の安定化のためにも、水処理に係わる様々な計画は定期的に見直しを行っていくことが大切です。
また、本日のパネリストのみなさん、会場のみなさん、それぞれのお立場から、地域の水環境健全化のため、活動をお願いできればと思います。本日はありがとうございました。

 

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