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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

日本の林業の未来を変えられるか(丸順エンジニアリング株式会社)

丸順エンジニアリング株式会社

設   立:昭和55年5月
資本金  :9,500万円
従業員数:約5名

親会社である丸順重工株式会社の商社として創業。丸順重工株式会社は重機用のアタッチメントを製造するメーカで、今では工事に欠かすことができないスライドアームやテレスコープと呼ばれる機械を開発した。そんな重機メーカーが今度は林業用の重機製造に乗り出した。今回は丸順エンジニアリング株式会社 代表取締役会長 小川淳次氏にお話を伺った。

 

―――林業用の重機を開発されたということですが、どんな重機なんですか?

はい、先ずその前に、山から木を切り出すには4つの工程がありますが、ご存知ですか?先ずは、1 木を切る(伐採)、2 切った木を集める(集材)、3 枝を掃い運搬しやすいように3m程度に切る(造材)、4 山から麓まで木を運ぶ(運材)。
この4つの工程の中で、1つだけ非常にコストのかかる工程があります。それが集材です。

集材の方法は、通常ワイヤーを張ってウィンチや重機で木を引っ張り上げて行います。作業効率が低い上に、ワイヤーを張る人とウィンチを操作する人が必要ですので、人件費もかかります。日本の山は小さくて急斜面が多いため、重機が使用できず、昔からのこの方法が今でも当たり前のように行われていますが、これが日本の林業の衰退を招いた原因なんです。(輸入木材は海外の広大な平地やなだらかな斜面を利用するため機械化が進み、結果、安価)

こうした理由により、林業から手を引く人たちが増え、ご存知の通り山が荒れてしまいました。静岡県では、こうした林業を救うため森林税を設けるなどの活動も始まりましたよね?

―――ええ、一人当たり400円/年が森林税として導入されたんですよね。

つまり、今の日本の林業は税金を使わなくては成り立たない状態なんです。そこで、今までの重機製造メーカーとしての経験を生かし、集材機械のプランを作りました。具体的には、半径約20m内にある木材を伸縮するアームで掴み、集材をする重機を作るものなんです。そのプランを林野庁の補助事業に応募したところ、見事採択されたんですよ。そして「案」の状態から約1年後には重機を完成させ、今は自社の山でテストを兼ねた集材を行っている最中です。

―――もう販売の目処は立っているんですか?

販売はしません。製品は高価であるし、また毎日必要な機械ではないですからね。リースで貸し出しを行うことで、多くの人(山の所有者)が使え、それによって山に活気が戻るのではないかと考えているんです。

重機の写真

重機写真1

重機写真

重機写真2

―――なるほど、集材にかかるコストを削減できれば昔のように木材を売って生活が成り立つということですよね。

いえいえ、違いますよ。もちろんそれもあるんですが、昔のように「木材を販売するための林業」がメインではないんです。木材からエタノールを精製するのが、我々が考えるこれからの林業なんです。

―――木からエタノールですか?

ええ。今でこそBDFが騒がれていますが、一番最初に自動車の燃料に使われていたのは何だかご存知ですか?石油ではなく、BDF、つまりピーナツ油やナタネ油なんですよ。知らない人が多いんですが、石油の方がBDFの代替燃料だったんです。

日本には資源といえるものはセメントと木材くらいしかありません。食料自給率も低ければ、原油はほぼ輸入に頼ってきました。技術があっても原料がないので、世界における日本の立場はずっと弱かったでしょう?アラブが世界でも発言権があるのは、石油があるから、エネルギー資源があるからなんです。では日本を強い国にするにはどうすればいいか、それはエネルギーの確保をすることだと思います。そして、日本で国内自給が可能な木材を原料にしてエネルギーを確保することが最も理に適っていると思います。ですから、機械をリースするだけではなく、林業関係者に対し、エタノール精製の提案を行っていくのが我社の使命だと考えているんです。

 

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