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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

エコフィード〜ポイントを畜産家に聞く〜(有限会社ひがしぐるま)

有限会社ひがしぐるま

設立年 :平成18年2月
資本金 :300万円
従業員数:13人

平成19年度に改正された食品リサイクル法において、再生利用として飼料化は最優先項目として定められ、リサイクル飼料は一定の基準で「エコフィード」として認証されている。 畜産農家の間でもエコフィードの認知が高まってきていることから、今回はエコフィードの製造を手がけて養豚業を営む(有)ひがしぐるま代表取締役の松浦氏にお話を伺った。


―――最初に会社概要について教えてください。

当社は平成18年に法人化しましたが、養豚農家としては昭和48年頃から事業を行っています。昔は、各家庭で1、2頭ずつ豚を飼っている軒先養豚が主流でした。当社も最初はそのような規模でしたが、その後、養豚業を本格化してエコフィード製造も手がけるようになりました。

食品廃棄物のリサイクルとしての飼料製造にあたっては、再生利用個別指定業者の指定や、一般廃棄物・産業廃棄物の許可を受けて行っています。

―――エコフィード事業を実施する上で課題はありますか。

養豚はコストとの戦いです。ライバルは海外の安い豚肉ですから、我々はコスト削減のために考えうる様々なことを実施する中でエコフィードの利用をひとつの手段として行っています。ただし、エコフィードだけで養豚はできません。

豚は私たちと同じく生まれたときはおっぱいを飲み、粉ミルク、そして離乳食を食べて、ある程度大きくなってようやく普通の食事ができるようになります。およそ出荷まで半年から一年、うち半分は人工乳などの購入飼料を与え、残りがエコフィード給餌の期間です。

また、配合飼料ですと保管、給餌にかかる費用はほぼ只なのに対し、エコフィードでは、飼料の保管、管理、給餌にかかる人件費まで視野に入れる必要があります。豚房の構造も同様に、配合飼料で飼う時とまったく違った作りとなっているのでその分コストが余計にかかります。 

このように、エコフィード事業とは飼料製造だけではなく、給餌までのことを考えてコストを考える必要があります。

―――飼料製造業として苦労した点はありますか。

やはり廃棄物処理業者や、再生利用個別指定業者としての許可をとることに苦労しました。許可を受けるまでに何度も市役所の窓口に足を運び、食品リサイクルの計画についてお話をしたのですが、はじめはどこの若者が何を企んでいるかという目で見られていました。市としては安易に許可を出して焼却場へ持込まれたら困るという危惧があったのだと思います。

 それでも、事業について詳しく説明をして分かってもらったようで、その後の手続きを経て許可をいただきました。

最近生まれた子豚

 飼料タンクと給餌ライン

―――養豚業として苦労した点はありますか。

動物を相手にする仕事なので、年中無休で休みなく餌やりなどの世話をしないといけないことでしょうか。我々人間と同じで季節の変わり目などの急激な温度変化のある時期には体調を崩します。夏になれば暑くて食欲も沸きません。こまめな気配りが大切です。

また、経営面では短期的には相場の影響を大きく受けることですね。豚価と穀物価格との相関は年々強まっています。相場急変時にどう対応するかが勝負になってきています。長期的には、昔は豚1頭でサラリーマン1ヶ月分の給料と同じ価値があったこともあるらしいですが、今はその価値の10分の1で、1年のうち半分は養育費の方が高く赤字になっています。

そのような全国の養豚農家の頑張りで安くておいしい豚肉を消費者の所に届けられるようになってきました。ですがまだまだ効率化の余地は残されていると思います。

―――近年の家畜伝染病対策について徹底されているようですが。

はい、口蹄疫や鳥インフルエンザが社会的にも大きな出来事が報道されましたが、その影響で家畜伝染病予防法が改正され、農林水産省より農場内への人の立ち入りの徹底が求められています。

今日も準備していた長靴に履き替えていただき、事務所入り口では消毒および立入り者の記録を記入していただいたのは、外部から不要な伝染病を持ち込まないためのものです。やはり外部からの伝染病を入り口で防ぐという意味では、他の農場に出入りした方の進入には気をつけています。

特に飼料会社さんや、エコフィード製造を手がけるリサイクル業者さんは畜産農家を回っていますが、他の農場に入った車で次の農場に行く際に、いったん自分の会社に帰り、車両の消毒をしてから回らないといけません。それぞれが気をつけて伝染病予防に取り組む必要があります。

―――気楽にはなかなか出入りしがたいということですね。見学にも制限があると聞きますが。

はい、実はこの影響で、養豚場を地域の学校の環境教育として見学したいという依頼も断らざるをえませんでした。私としても地域に貢献できることは歓迎ですし、かわいい子豚を見てもらいたいという思いもありますので、せっかくの依頼は受け入れたかったのですが、やむをえませんでした。

学校給食からでる食品残さも餌として受け入れているわけですので私の仕事を通じて何か教育現場で役に立てることがあれば協力していきたいと思っています。

―――最後になりますが、今後の新たな取組についてお聞かせ願えますか。

リサイクルループに取り組みたいと思っていますが、課題がいくつかあります。農産物は生産者が必要な分を収穫してスーパーなどの販売者に納めることができますが、豚の場合は私たち生産者と販売者の間に解体屋さんと肉屋さんが入らないと成り立ちません。ですので、肉屋さんにどう関わってもらうか、その調整をする必要があります。

もう一点の課題は同じ部位だけの注文では他の部位が余ってしまうという問題があります。例えば、ロースだけ大量の注文が入ってしまい、ヒレ、バラ、モモなどの他の部位が余って困ってしまうということが実際にありました。リサイクルループに関わる人たちそれぞれが養豚業に対する理解を持ち、協力体制を整えていただく必要があります。

このように農産物のループに比べて課題は多いかもしれませんが、事業を通して地域環境への貢献としてリサイクルループをひとつの目標にして取り組みたいと思います。

一言PR
リサイクルをすすめるのはまず、分別です。割り箸、醤油の容器、バランなど混入しないようになって初めて「飼料にしようか?」となります。食品残さに限らず、他のリサイクルでもそうですね。

松浦隼人(まつうらはやと)
(有)ひがしぐるま代表取締役。
1978年生まれ。
大学卒業後、1年の養豚研修を経て家業の養豚業に従事。
法人化と共に代表取締役に就任、現在に至る。

 

 

 

有限会社ひがしぐるまhttp://homepage3.nifty.com/higashiguruma/

袋井市山崎5914−1065

TEL・FAX 0538−23−7506

(問い合わせについては上記のwebサイト中にあります)

 

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