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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

NPO×民間×行政(御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合)

御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合

設立年月:平成5年3月
従業員数:7名(組合員8社)

紙ごみの分別、容器包装プラスチックの分別により、自治体による家庭系廃棄物の削減は着実に進みつつある。そして次に注目されているのが「食品残渣」いわゆる生ごみだ。
今回は、県内自治体では家庭系生ごみのリサイクルに最も歴史のある御殿場市で、一般廃棄物処理事業に取り組んでいる御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合の高森理事長と長田専務理事にお話を伺った。



組合概要
本組合は、平成5年9月、市内の一般廃棄物処理事業者9社により、組合員の健全な経営を目指して設立されました。

平成20年に御殿場市生ごみ堆肥化モデル事業を御殿場市より受託、一般廃棄物処理業の収集運搬及び中間処理の許可を取得しました。平成22年に生ごみ処理施設着工、翌年1月に完成し、「ゆめかまど」と命名、平成23年4月より食品残渣のリサイクルを開始しました。(処理能力:5t/日、床面積:367.5u)

本事業は、市内で活動するNPO法人エコハウス御殿場が、平成17年から3年間、御殿場市と協力して家庭から排出される生ごみの堆肥化実験を行っていましたが、その事業が終了すると聞き、本組合で事業を継承することで一致したことで開始されたものです。

回収と堆肥化
食品残渣の発生源は3つに大別でき、それぞれ家庭、公共施設、事業所(スーパー、飲食店など)です。

家庭から発生する食品残渣は、市が組合に委託をして回収されています。ごみ集積所にあらかじめ用意(収集日前日に設置)された大型密閉式バケツに、各家庭から生ごみを持ち寄るというシンプルなものです。あとは我々が各集積所を回り、週2回バケツを回収、ゆめかまどにて破砕後、堆肥化されます。

公共施設(学校給食センター)から発生する食品残渣は、専用車両で回収します。回収車両の「ぞうさん号」には破砕機が搭載されており、回収した残渣はゆめかまどで直接、堆肥化されます。

事業者から発生する食品残渣は、組合員が直接、各事業所と契約し、各組合員により収集され、ゆめかまどに搬入されます。これまで広域組合で固形燃料化されていましたが、水分含有量が多いため、乾燥工程で多くの燃料と時間を消費するだけでなく、地球温暖化の原因物質である温室効果ガスを大量に発生させる原因にもなっていました。

回収量は、平成23年度は事業系約364,000kg、家庭系約166,000kg、公共(学校給食)約40,000kg、合計で約571,000kgの食品残渣の搬入がありました。平成24年度は今のところ合計で約432,000kg(11月29日現在)となっています。

ゆめかまど内部

ぞうさん号での搬入

搬入された食品残渣は、ゆめかまどにて破砕後、木質チップと混合します。木質チップには、発酵のための菌をあらかじめ付着させてあり、堆肥化ヤード床面からのエアレーションとホイールローダーによる攪拌で好気性発酵が進み、数ヶ月後、篩い機で大きな木質チップを取り除いて堆肥の完成となります。

堆肥の生産量は平成24年度で22,850kgです。

たい肥の利用
完成した堆肥は御殿場花の会や家庭菜園、また農家で実験的ではありますが、御殿場こしひかりの堆肥として使われています。

できる堆肥の量もそれほど多くはないため、現在は希望者に無償で配布しておりますが、大変な人気で、予約をしていただかないと提供できない状況です。

とてもよい作物ができたよ、とわざわざ作った農産物を持ってきてくれる方もいらっしゃって、地域の皆さんに貢献できていること、また市内の家庭や事業所から発生した食品残渣が堆肥として市内で利用され、その作物がまた市内の家庭の食卓に上る、市内で循環できていることが何よりも嬉しいです。

完成した堆肥  

組合の圃場(冬季のため一部のみ)

市民の反応
私たちが回収を継承した約2年前からの話となりますが、分別が面倒等のご意見は当組合に寄せられたことはありません。ただし、エコハウス御殿場さんが回収を始めた当初は相当な苦労があったことと思います。

御殿場市の生ごみ堆肥化事業は、市内の一部エリアでのみ実施されており、強制力はありませんので、環境問題に意識の高い人が協力をしてくれているため、分別状況も良好です。

以前に異物の混入があった時にも、容器に「お願い 容器にはビニール袋から出してお手数ですが生ごみだけを入れて下さい。貴重な資源として堆肥化を行っております。」と書いた紙を貼ったところ、次回の回収からは異物の混入がピタッとなくなりました。

設備と投資額等
施設は、堆肥化を行う建屋、別棟の事務所、計量機、脱臭装置等からなります。
堆肥化施設は床面からエアーを供給できるようになっており、施設入り口は5%の勾配を付けることで、床面の水が外に出ないよう対策しています。

また回収した大型生ごみ密閉式バケツの洗浄スペースには、地下に貯水槽を儲け、洗い水を回収、堆肥の水分調整に使用することで洗い水の処理で環境に負荷をかけないようにしています。

投資額は、ゆめかまど本体が約70百万円、昨年6月に設置した脱臭装置が約16百万円、もろもろ併せて約1億円の設備投資となるかと思います。

臭いの問題に関しては、食品残渣を扱う施設のため、慎重にやっておりますし、責務であると考えていますので、専門家に臭いの原因物質の特定を依頼し、その物質に最も効く消臭剤を導入、建屋の外からミストで噴霧しています。

バケツ洗浄スペース

脱臭装置

目標と課題
ゆめかまどは、既に受け入れ可能量も十分で、有機資源を量的に集められることも実証できました。稼動してからもうすぐ2年になり、処理方法や臭気対策などノウハウの蓄積も進んでいます。今後は、更なる情報の蓄積を積み、体制が整えば、第2、第3のゆめかまどを市内に整備して、有用な資源である食品残渣の有効利用を進めることが当面の目標です。

ただし、それにはより一層の臭気対策が課題として上がります。現在のゆめかまどで行っている臭気対策についても、当初からするとかなりレベルアップしていますが、施設の管理方法等により、もっと臭気を低減できる可能性があると思います。

また、現在は無償配布している堆肥についても、今後、拠点ができて量が増えた場合には、有効利用の方法を考える必要があります。

現在、当組合でも圃場を設けて様々な実証実験を行っていますが、地場野菜の発展への貢献、市民による芋ほり体験からのごみ問題の勉強など、市民の皆さんに、自分たちの出したごみがどうなっているかを知っていただくことで、我々の仕事に対してもっと理解をしてもらえるかもしれません。

全国的に見ても、一般廃棄物、特に家庭由来の食品残渣の堆肥化は始まったばかりです。

御殿場市は、ごみリサイクルに積極的な行政、家庭からの食品残渣のリサイクルを進めてくれたNPO、そしてわれわれ一般廃棄物処理事業者の組合の3者が揃っていたため、現在の取り組みが実現できています。

組合員の健全な経営と市内の食品残渣リサイクル推進のため、今後も活動を広げていきたいと思います。

高森茂生(たかもりしげお)写真右
御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合理事長
高森商事株式会社代表取締役社長

長田光雄(おさだみつお)写真左
御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合専務理事

 

 

 

御殿場市一般廃棄物処理事業協同組合
御殿場市竈(かまど)307-7
TEL:0550-78-7853 FAX:0550-70-9153
お問合わせ yumekamado@coast.ocn.ne.jp
(迷惑メール対策のため、@を半角に打ち換えてご利用下さい)


 

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