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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

持続可能な山林保全を考える(富士総業株式会社)

富士総業株式会社

設立年:1983年9月1日
資本金:1,000万円

ご存知の通り、わが国の山林は荒廃が進み、各地で山崩れや竹林の増加などの様々な問題が発生しています。持続可能な山林とは?今回のお話にはそんな意味が込められているかもしれません。駿東郡小山町にある富士総業株式会社の専務取締役 込山氏にお話を伺いました。


企業概要とペレット事業開始のきっかけ

当社は一般廃棄物収集運搬業、産業廃棄物収集運搬・処分業、浄化槽管理・清掃・メンテナンス等を駿東郡小山町にて営んでいる企業です。産業廃棄物収集運搬・処分については多岐に渡る許可を有しており、焼却炉を自社保有しておりますので、様々な廃棄物を一括で処理委託していただけることが可能となっています。

このたび新たに木質ペレットの製造を2011年7月からスタートさせました。

静岡県では、森の力を取り戻すために400円/人・年(法人は1,000〜40,000円)が「森林づくり県民税」として、平成18年度から導入されており、間伐等による山の手入れが行われています。

間伐は定性間伐、定量間伐などの、よい木を残し、悪い木を間引く方法や、列状間伐という、言葉通り、一列に間伐していく方法があります。現在、多く実施されているのが列状間伐で、切った木を搬出することを目的としているため、低コストで機械化された間伐である一方、よい木も悪い木も切ってしまうデメリットがあります。

間伐された木はランク付けされ、製材、修正材、チップ原料の順に使用されます。

しかし上記に適合しない木は、これまで林地残材として林地内に放置され、豪雨時等に川を堰き止め、2次災害を起こす原因となっており、これらの利用が喫緊の課題でありました。

そこで検討されたのがペレット事業です。

木質ペレット

製造段階での木粉加工

ペレットの製造

原料は富士山麓産の間伐材100%、全て有価で購入しています。

搬入された木材は一旦敷地内のストックヤードに保管され、順次、おがこ製造機にておがこに加工されますが、このままですと水分が50%程度含まれるため、乾燥設備にて乾燥させます。乾燥設備はもちろん当社ペレットを原料に使ったバイオマスバーナーです。

その後、ペレット製造機にてペレットに加工、袋詰めして出荷となります。

ペレットに使用できる樹種は基本的にはスギとヒノキとなります。それ以外の樹種ももちろんペレットに加工することは可能ですが、ペレット製造時の機械調整が樹種等により異なるため、品質のばらつきを防ぐために基本的には他の樹種は使用しません。

製造するペレットは全木ペレットで、灰分はホワイトペレットと同程度の約0.5%となっています。

業務用はフレコンバック単位(650kg)で、市内運搬ありの価格ですと35円/kg程度、家庭用は10kg入りで500円/袋(家庭用は運搬なし)です。

造粒のためには水分管理が重要で、季節等により変動する水分量への対応により、品質の安定化に努めています。

バイオマスバーナー

バーナー拡大

利用面

売り上げの90%は業務用としての出荷で、農家やホテル、製造業等のボイラーで利用されています。イニシャルコストが一般のボイラーよりも高額なため、導入時には林野庁の補助金を利用されるのが一般的です。ランニングコストは、灯油の価格が70円/リットルが目安で、これよりも価格が上がるとペレットボイラーにコストメリットがあるといわれています。

家庭用では、ペレットストーブでの使用が前提ですが、灯油18リットルとペレット30kgが同程度といわれています。40畳対応のペレットストーブで使用した場合、10kgで約10時間持ちますので、かなり経済的といえるのではないでしょうか?

使用後に残った灰は家庭用・業務用ともに木質100%のため、各種のミネラルを含んだ良質な肥料となり、また酸性土壌の中和等の目的でも田畑に蒔かれます。家庭菜園や農家などで引手数多です。

ペレットを使うことの利点

一般的によくいわれることですが、カーボンニュートラルのため、二酸化炭素の排出カウントはゼロです。そのため化石燃料の代替品として使用することで二酸化炭素排出量を大幅に削減可能です。

ですがそれ以上に私が申し上げたいのは、当社で使用するペレットの原料は富士山麓北駿地域の間伐材となりますので、ペレットの製造量は富士山麓の林地残材の有効活用量と“=(イコール)”になるということです。つまりペレットの製造量増加が富士山麓の山林整備面積の増加に繋がるということですね。さらに地産地消、林業の活性化と地元雇用の増加、地域産業の活性化と多くの局面に波及する効果を持ちます。

経済面から考えると、御殿場市・小山町を合わせた人口はおよそ11万人であり、この地域だけでも化石燃料として年間で200億円相当が消費されています。もちろんほとんどが海外からの輸入に頼っておりますので、200億円ものお金が海外に出て行ってしまっているということです。

地域にお金を戻す、残す、産ませるにはどうしたらいいかという議論を様々な場面で聞きますが、ペレットの利用で地域に大切なお金を留まらせることが可能になります。

製品「富士山ペレット」

会社入り口の目印

小山町はバイオマスに関する理解もあり、様々な形でバックアップしてくれ、町民に対するペレットストーブ購入補助金等を創設していただきました。他の自治体でも導入されているところはありますので、これを利用することでイニシャルコストを抑えることができます。

今後の目標

弊社におけるペレットの製造能力は2,000t/年ですが、現在の生産量は約1,000t/年と、まだ半分程度の余裕があり、原料である木材も十分な余裕がありますので、採算ベースに乗せて事業を継続できるようすることが目下の目標です。

特に地域の皆さんに、家庭用途で利用していただき、木質ペレットを使用すると富士山麓の保全に繋がるということを知っていただくため、これからも努力していく所存です。

込山 正一郎(こみやま しょういちろう)(2列目中央)

写真は従業員の皆さんと。

 

 

富士総業株式会社http://fuji5353.co.jp/

駿東郡小山町一色277-2

Tel:0550-76-5353 fax:0550-76-5014


 

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