静岡県環境ビジネス情報サイトエコマート静岡メニューへスキップ本文へスキップ

サイトマップ

ホーム >

ビジネス事例紹介 >家電リサイクルの広告塔を目指して(株式会社富士エコサイクル)

ここから本文

ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

家電リサイクルの広告塔を目指して(富士エコサイクル)

取材先:株式会社富士エコサイクル

設立:2000年4月
資本金:2億円
従業員数:140名(委託先等従業員を含む敷地内業務従事者)

2001年に開始された家電リサイクル法により、使用済み家電製品4品目(エアコン、テレビ(ブラウン管式、液晶式・プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)排出の際には、消費者がリサイクル料金を支払い、販売店とメーカーの責任によりリサイクルすることが義務づけられた。今回は、浜松市で使用済み家電製品のリサイクル事業を展開している株式会社富士通ゼネラル連結子会社である株式会社富士エコサイクル代表取締役社長川内幸治氏にお話を伺った。

 


―――はじめに、貴社の概要を教えてください

当社は、使用済み家電製品をリサイクルするプラントです。出資企業は、(株)富士通ゼネラル、(株)エンビプロ・ホールディングス、三洋電機(株)、シャープ(株)、ソニー(株)、日立アプライアンス(株)、三菱電機(株)で、2000年に設立されました。

当初は静岡県富士宮市にて事業を行っておりましたが、地上デジタル放送移行に伴う使用済みブラウン管テレビの排出増加に対応するため、敷地面積27,300平方メートルの新工場を浜松市北区細江町に建設、2010年に移転・操業開始いたしました。

取扱い品目は家電リサイクル法の対象である4品目全てです。

中でも、冷蔵庫の破砕については、冷媒及び断熱材にフロンが使用されており、その回収をするとともに、断熱材をシクロペンタンで発泡している機種については、処理する際の安全性が求められます。

当社は、フロンの大気中への放出防止や粉塵摩擦によるスパークなどを防止するため、独自の窒素置換方式の破砕機を設け、安全性を高めております。

―――具体的に、工場内ではどのような作業が行われているんですか?

はい、当社では、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンをそれぞれ専用のラインにわけ、先ずは外せるものを手作業で解体します。家電製品は、多種類のプラスチック、鉄、非鉄金属、ガラス等の多くの部品で構成されていますが、リサイクルにおいて重要なことは、単一の素材で回収をすることです。そのため、時間と手間はかかりますが、最初に手作業で解体を行うことで素材の回収効率が高まります。

例えば冷蔵庫ですと、最初に手作業で、冷媒フロンの回収をし、ハーネス、基板、コンプレッサー、パッキンやトレイが外され、残りの部分のみが破砕され、選別回収されていきます。回収されるものは、各種プラスチック類(PS、GPPS、PP、ウレタン等)、ガラス、フロン、金属(鉄及び非鉄金属類)、ダスト等です。

再資源化物の内訳 

手作業での解体

―――手作業での分別ですと、プラスチックなどは素材の判断がつきにくいのでは?

そうですね、製品の多くは、素材の種類に応じた刻印がありますので、最初のうちはそれを頼りに解体、分別を行います。ある程度の経験を積んで慣れてくると、素材それぞれの特徴(手触りや素材の粘り、硬さなど)で、触って判断することができるようになっていきます。

また、当社では近赤外線を利用した素材判別を行う機械も導入しており、より正確な分別に努めています。

―――やはり経験が重要なんですね。ところで、こちらの工場にはどの程度の使用済み家電製品が入ってくるんですか?

日本全体では、使用済み家電製品の排出量は、2001年度の855万台から2010年度では2,770万台へと年々増加しており、累計では2011年3月末までに1億3,510万台となっております。

当社へは、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコンが年間で80万台程度入ってきております。昨年度は、地上デジタル放送移行に伴う使用済みブラウン管テレビや、猛暑、エコポイント制度の終了によるエアコン買換え需要による排出量が大幅に増加しました。

これを、テレビは5台/時間・人、エアコンは3.5台/時間・人で、年間で約90万台の処理を行うことができます。

今まで焼却や埋立処分されていた使用済み家電製品をリサイクルすることは、資源の有効利用だけでなく、資源再生や埋立処分の抑制によるCO2発生量の減少等、地球環境にも貢献します。

―――川内さんのお考えになる、家電リサイクルの御社の位置づけは?

そうですね、それには3つあります。

1つ目は、資源のリサイクル。
日本は資源がない国といわれてきましたが、我々の生活から発生するものはみな資源です。日本には「もったいない」という言葉があります、もったいないから資源を大切にしなければならない。我が社の社訓は「もったいないを究める」としてその精神で取り組んでいます。

2つ目は、家電製造メーカーに対する環境配慮型設計情報の提供です。
リサイクルするには、製品を丈夫に設計しつつ、解体しやすいという両方をクリアした設計にする必要があります。製品の性能は各メーカーで競っていますが、環境配慮型設計については、メーカーの枠を超えて取り組んでいます。その結果、数年前に比べて、家電製品の解体のしやすさは向上しています。われわれ解体をしている立場から気づいたことをメーカーに情報として提供し、よりよい製品開発のサポートを行っています。

3つ目は、家電リサイクルの広告塔となること。
自分たちが使用した使用済みの家電製品のその後を見ていただきたいという思いから、施設見学・視察については積極的に受け入れを行っています。みなさんが製品のリサイクルの現場を理解し、環境に対する考えを深めるきっかけづくりに当社が貢献できれば幸いです。すでに近隣の学校や企業研修として受け入れていますが、もっと多くの方々に当社を活用していただきたいと思っています。

―――では最後の質問です、創業から今年でちょうど10年が経ちましたが、今後の展望は?

操業開始1年目は赤字でした、このまま赤字が続くのではないかと不安ばかりの毎日でした。しかし事業も軌道に乗り、2年目から黒字に転換、リーマンショック時にはさすがにダメージを受けたものの、昨年度も黒字で期末を迎えることができました。

地上デジタル放送移行に伴う廃テレビの発生量は我々の想定を遥かに超えるものでしたが、既にピークが過ぎたいま、今ある機械を活かして、何ができるかを検討している毎日です。

当社の従業員はみな向上心が高く、他でよいことをやっていれば、すぐに取り入れる柔軟な姿勢であることが強みです。

リサイクルは、これまで静脈産業といわれていましたが、そうではない、動脈産業の根底で一翼を担っているのが我々なのです。

→ 施設内写真についてはこちらをご覧ください

 

一言PR
「人、環境、物に優しく」を心がけ、「もったいないを究める」精進を続け、低コストで資源再生し社会や地球環境への貢献に努めます。

 

川内幸治(かわうち こうじ)

株式会社富士エコサイクル 代表取締役社長
1948年3月生
1970年4月 (株)富士通ゼネラル入社
2004年6月 同社総務部長から現職に転任

 

株式会社富士エコサイクルhttp://www.fujitsu-general.com/jp/fujieco/

〒431-1304静岡県浜松市北区細江町中川1930番地4
TEL:053-523-1152  FAX:053-523-1153

見学の依頼等につきましては、HPよりお願いします

 

前に戻る