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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

『電気予報』で推進する工場全体の省エネ活動

株式会社ブリヂストン磐田工場

操業開始: 2000年2月・敷地面積:172,000m2
生産品目:高機能フィルム(太陽電池用EVAフィルム他)
             事務機器用精密部品

全国の企業・自治体等が取り組む温暖化防止の活動を審査・表彰する「低炭素杯2017」にて、静岡県から株式会社ブリヂストン磐田工場が優秀賞を受賞しました。取り組みのキーワードである「電気予報」とは一体どのようなものなのでしょうか。 ブリヂストン磐田工場 設備課の鈴木茂宏氏、佐山雄介氏にお話を伺いました。

BRIDGESTONE あなたと、つぎの景色へ



企業概要

ブリヂストン磐田工場は、タイヤの研究・開発で活かした技術をもとに、太陽光発電の保護に用いるEVAフィルムやプリンター内部で使われるOAローラー等の、高機能フィルム・電材の生産に特化した工場です。また、環境に配慮した工場を目指し、さまざまな環境対策を実施しているほか、自治体の清掃活動への参加や環境ものづくり教室の開催等を通じて地域とのコミュニケーションを図っています。

EVAフィルムを使用した太陽電池

工場周辺の清掃活動 ブリヂストン環境ものづくり教室

電気予報とは

電気予報とは、その日の電力使用量を毎日予測し、メールにて事業所内へ発信するシステムです。
当日の気象データや、工場内に設置されたエネルギー管理装置による情報から、当日の電力使用量の予測値と前日の予測値・実績値が発信されます。

このときに使用する単位は「kw」や「t-CO2」だけでは分かりにくいため、「電気料金(円)」にすることで、価値観の共有化を図り、コスト意識を工場全体で持つようにしています。

電気予報の取り組み図 毎日予測しメール発信。攻めの管理でピークシフト。全員で取り組んだ電力のコントロール!

取り組みの背景

2011年の東日本大震災以降、計画停電等の影響により、使用できるエネルギーに制限が設けられました。それを機にブリヂストンの国内全工場では「ピーク電力20%以上削減」の目標を定め、全社で省エネ活動を開始。更に磐田工場では、一歩先を行く省エネ活動として「電気予報」の取り組みを開始しました。背景として、磐田工場における特殊な電力事情がありました。

ブリヂストンの工場では品質管理のために空調で建屋の温度や湿度をコントロールしています。磐田工場は他工場と比較し、敷地内に多くの建屋があることから、空調による電力使用量が工場全体の4〜5割と非常に多くの割合を占め、その削減が大きなチャレンジとなっていました。当然ながら、空調は昼間に多く使用されますので、昼夜における電力使用量に顕著な高低差が見られ、一日を通して一律した節電に取り組むだけでは、目標達成が困難でした。さらに、従業員間で節電に対する意識に温度差があることも障害の1つでした。

どうやって減らすのか

電力使用量の削減には、無駄を減らすことが第一と考えました。
これまでは休日に「設備は止めても空調はつけっぱなし」などの無駄があり、電気代が非常に高くなってしまった月があったことも事実です。「省エネパトロール」により工場内の指導を行いましたが、いろいろな問題もあり、現在では「いいとこ巡回」と名称を変更し、省エネに対する良い取り組みを実施している部署を紹介して、意識向上に努めています。

また、磐田工場では全従業員が製造コストに対して強い意識を持っていることから、無駄な電気料金が製造コストを高めていることを共有しようと試みました。そのため、電気予報では電力使用量を「電気料金(円)」という、誰にとっても身近な尺度で発信しています。「一日数万円単位で無駄な電気代が発生している」という意識付けができ、従業員が省エネ活動を自分事として捉え、楽しみながら取り組みを進めることができるようになりました。

同様に、社内で実施している「CO2会議」の場でも「製造コストを圧迫している要因が原料価格以外にもある」という認識を共有し、攻めの管理でピークシフトに取り組んだ結果、電気予報開始前と比べ半額近く電気代を削減できた日もありました。

的中率85%の背景とその成果

電気予報は誤差±200kwの範囲内で85%という高い的中率を誇りますが、その正確な予測は分刻みの生産計画の存在と関係部署との情報共有があって成り立っています。大型機械稼働時の消費電力には外気温等の要素も密接に関わってくるため、稼働させる時間帯によっても予測は大きく変動します。複雑に絡み合った諸々の要素を分析し、前日の夕方に行う入念な準備が電気予報の高い的中率を裏打ちしています。

準備に掛かるリソース面や、工場内の電力・電気使用量を監視するハード面での整備等、電気予報は導入のハードルが高く、誰もが今すぐに真似ができる取り組みというわけではありません。しかし重要なのは、形やシステムを真似ることではなく、「従業員みんなを同じ目線にし、価値観を共有化する」という点を啓発することです。磐田工場での電気予報で革新的な部分は「従業員一同の価値観の共有化」という部分であり、電気予報はあくまでお金という尺度を用いることによってそれを実現するための手段です。

電気予報で得られた成果の図 従業員一人ひとりが自分事として捉え活動した。職場だけにとどまらず、一市民としても省エネ意識を高められた。楽しみながらゲーム感覚の省エネ推進活動ができた。意識を変えて楽しい省エネ活動を実現!

今後の課題

今後の課題は、「いかにCO2排出量を減らすと同時に生産量を上げるか」という点です。物を作っている以上は切り離せない問題であり、両立させることは難しく今も頭を悩ませています。

また、電気予報の取り組みをいかに継続できるかという点も重要です。明日は今日の延長にあるものであり、日々の積み重ねが大事であると考えています。今後は担当がいなくなっても継続可能かつ、より簡単に予報を出せるシステムの構築が目標です。



  鈴木茂宏(すずき しげひろ)
  磐田工場設備課(写真左)

  佐山雄介(さやま ゆうすけ)
  磐田工場設備課(写真右)

 

 

 

 

株式会社ブリヂストン 磐田工場
(http://www.bridgestone.co.jp/corporate/library/plant/pdf/iwata_201512.pdf)
磐田市匂坂中17-3
電話0538-38-6360


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