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ビジネス事例紹介 環境ビジネス成功の秘訣

植物工場視察会レポート (静岡県環境ビジネス協議会)

平成27年度 静岡県環境ビジネス協議会
植物工場視察会レポート

静岡県内の企業や団体、大学、行政等で構成する静岡県環境ビジネス協議会の平成27年度視察会が、平成27年11月27日に開催されました。
今年度の視察先及び概要を以下に示すとともに、各視察先のレポートを掲載します。

・ 株式会社イノベタス(富士市伝法1338 電話0545-52-5026)
2014年に富士市に誕生した農業ベンチャー。世界最大級のオールLED完全閉鎖型植物工場で、リーフレタス等の葉物野菜を栽培。

・ 小林クリエイト株式会社(富士市五貫島310 電話0545-63-8100)
完全閉鎖型工場内で、それぞれの野菜に合わせた最適な温度・湿度・養液・光条件などの栽培環境を自動制御して栽培(完全人工光と液体肥料による水耕栽培)。

・ 山梨缶詰株式会社(静岡市清水区興津中町974 電話054-369-1101)
缶詰製造時に発生するシロップを素にバイオガスを発生させ、発電を実施することで、電力と温水の一部に利用


株式会社イノベタス

2015年3月から稼働、栽培している野菜は、フリルレタスやロメインレタス等のリーフレタス類です。栽培期間は約40日程度、播種から収穫まで全て工場の中で行っています。工場内では、温度や湿度、照明、CO2濃度、pH、EC、水温等を、すべてコンピュータで制御しています。

植物工場には、太陽光を利用した栽培と、人工光(LED等)を利用した栽培の2種類があり、太陽光を利用した栽培技術はオランダが、人工光では日本が、それぞれ世界をリードしています。

それぞれの栽培の特徴は、太陽光はイニシャルコストが安いが、夏季は工場内部も高温となり、作業者の負担が重く、また栽培にスキルが必要で、収量は普通です。これに対して人工光は、イニシャルコストが高額になるものの、作業者の負担が軽く、栽培にスキルは不要で、収量が多い等の特徴があります。

植物工場で栽培したレタスの特徴は、

・ 通常は廃棄する外葉を捨てずに食べることができる
・ くせがない(路地栽培では、風や雨等の様々な外的要因から身を守るため、外葉が固くなり、味に様々な変化があらわれるが、工場内はストレスのない空間のため、収穫したレタスにくせがない)
・ 露地栽培のものに比べて栄養価が高い(くせがないのと同じ理由)
・ 菌の非常に少ない工場内で栽培しているため、家庭の冷蔵庫内で封を開けないと3週間程度は腐敗しない
等があげられます。

80名以上が働く株式会社イノベタス富士ファームの設立には、國光(出資者)、東洋紡(施設、設備)、ファームシップ(コンサルタント)が協同し、経済産業省のグローバル農商工連携事業補助金を活用しています。

現在、日本中で100社以上の企業が植物栽培工場の事業に取り組んでいますが、栽培ができなかったり、販売先の確保ができず、既に撤退した企業も数多くあります。

生産の安定化や売り先の確保等が、共通の課題としてあげられています。

露地栽培レタスの価格は1玉100〜300円程度で変動しますが、イノベタス社のレタスは年間通じて1株150〜200円で販売されています。県内のスーパーからの引き合いも多く、現状、県内大手スーパーのほとんどと取引しているとのこと。4月に月産4,000株、11月現在では8,000株まで増産に成功し、来年には12,000株のフル稼働を予定しています。


小林クリエイト株式会社

愛知県刈谷市に本社のある小林クリエイト株式会社は、国産初の計測機器向け記録紙事業を創業して以来、ビジネスフォーム事業、データプリントサービスを中心とする業務受託事業、医療・ヘルスケア関連事業を手がけていますが、新しい分野への挑戦として約2年半前から植物工場事業に本格参入しました。

完全閉鎖型人工光(光源に蛍光灯を採用)による植物工場を採用し、点灯時間、室温、湿度、二酸化炭素濃度等をコントロールすることで(品種にもよりますが)、播種から約5〜6週間で収穫することができます。

従来からの農業(露地栽培)では、悪天候などが続くと農作物に大きなダメージがあり、生産者と消費者の両方にデメリットが生まれますが、栽培環境をコントロールされた植物工場では一年中安定して農作物が収穫できます。また現在の農業は、きれいで形の良い野菜を作るために農薬が欠かせませんが、完全閉鎖型植物工場なら農薬を使わずに植物を育てることも可能です。虫や細菌の侵入を防ぐ密封されたクリーンな空間を作ることができるからこそ、実現が可能であるといえます。

栽培品目はリーフレタスのほか、アイスプラントを栽培しており、主に静岡をはさむ首都圏から愛知までの各都県に出荷しています。虫や細菌、土などの混入の心配がないことから、外食店においては使い勝手が良いと好評です。

温暖化による気候の変動が大きくなってきており、大規模な災害も増加している中、野菜の産地が被害を受けると、国内の野菜の安定供給に支障を来たします。現在植物工場で栽培されている主流はリーフレタスなどの葉菜類ですが、トマトなどの果菜類も実用化されつつあり、この技術が確立されれば、極寒地等の野菜が育たない場所にも様々な種類の新鮮な野菜を供給することができるようになるかもしれません。

野菜の栽培、販売だけでなく植物を栽培するノウハウや設備を供給するなど、色々な可能性を秘めた事業です。


山梨缶詰株式会社

山梨缶詰では、フルーツカップゼリーや缶詰、レトルトパウチ食品のOEM製品の製造を主に行っています。 フルーツカップゼリーの生産には輸入缶詰フルーツを使用しますが、3kgの缶詰の場合、その約半分がシロップです。これまでシロップは全国的にも排水処理されてきましたが、負荷が大きく、経営を圧迫する一因にもなっていました。

そこで静岡県工業技術研究所等と協力し、廃シロップからバイオガスを発生させ、発電に利用する取り組みを平成22年より行っています(20立米槽×2)。当初はシロップのみでバイオガス生成を行っていましたが、マグロ等の魚の缶詰を製造していて、その際に発生する煮汁や排水処理汚泥も環境への配慮から、よい処理方法はないか模索するなかで、魚煮汁や排水処理汚泥を併せることにより、バイオガスの発生が安定することがわかってきました。

現状では、バイオガス188立米/日を発生し、262.5kWh/日を発電、また熱として温水を2333MJ/日、缶詰工場に提供しています(投入エネルギーに対する回収エネルギー比率は11,21)。 さらに、脂質(廃食用油)を加えることで、更なる高効率化とガス発生量の増大に繋がることが実証され、油前処理装置の設置も完了しました。 今後は、繊維質についてもバイオガスの材料として採用できないか、誠意研究を進めているとのこと。

メタン処理装置は、1,000立米等の大きなサイズの処理漕が一般的ですが、日本には、食品を製造している中小企業が非常にたくさん存在します。彼らが必要とするサイズの処理装置を提供できれば、食品製造工場でエネルギーを製造し、これにより原油使用量が減り、環境へ貢献し、多少なりとも利益に繋がれば、大変嬉しいことだと思います(本メタンプラントで、3,200t-原油/年のエネルギーを回収しています)、との、担当部長望月氏のお話でした。

山梨缶詰さんは、以前に取材した記事がありますので、こちらも併せてご覧ください。

http://ecomart.pref.shizuoka.jp/case/jirei-yamanashi.html


株式会社イノベタス(http://www.innovatus.co.jp/
(富士市伝法1338 電話0545-52-5026)

小林クリエイト株式会社(http://k-cr.jp/
(富士市五貫島310 電話0545-63-8100)

山梨缶詰株式会社(http://www.yamanashi-kanzume.co.jp/
(静岡市清水区興津中町974 電話054-369-1101)

 

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